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zoom RSS rascalさんのコメントに答えて その2

<<   作成日時 : 2005/05/23 21:54   >>

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前回の続きです。

私は、フルタイム労働者とパートタイム労働者の間の「代替」、「補完」について次のように予想しています。

1 企業の中には、複数の職種があるのが普通です。

2 そして、職種によってパートタイム労働になじみ易い職種とそうでない職種があります。なじみやすいというのは、その職種はパートタイム労働に向いていて、その職種のフルタイム労働者をパートタイム労働者で置き換えやすいという意味です。
どのような職種がパートタイム労働になじみやすいか、具体例は、「同一労働同一賃金のアイロニー その3」 をご覧下さい。

3 同一職種のフルタイム労働者とパートタイム労働者の間には、「代替」関係が成立しています。たとえば、販売店員同士なら、フルタイム労働者を増やしてパートタイム労働者を減らすことも、その逆も可能ですから、「代替」関係が成立します。一方、異なる職種のフルタイム労働者とパートタイム労働者の間には、「補完」関係が成立しています。たとえば、もし、販売店のフルタイム労働者の人数を変えないまま、パートタイム労働者を増やし、その結果、販売が増えれば、仕入れを担当するフルタイム労働者は増やさなければなりません。これは「補完」です。

一般的にいえば、同じ職種の労働者同士は代替できるのです。

余談ですが、パートタイム労働者がここまで増えると、職種の違いを無視してフルタイム労働者とパートタイム労働者の「代替」、「補完」を議論する段階はそろそろ終わりにして、職種を明示的に取り入れた分析に進んだ方が有益な結果が出るのではないかないと思います。特に、原論文が出た後では、こちらに進むのが私のお勧めです。

4 さて、近年、パートタイム労働になじみやすい職種では急速にパートタイム労働者によるフルタイム労働者の代替が進んできました。一部の職種では「飽和」に近づいて、これ以上増えにくくなっています。(この点については、rascalさんと意見が違うようです。この側面については、また、いつか記事を書きます。)

5 しかし、パートタイム労働になじみにくい職種ではパートタイム労働者によるフルタイム労働者の代替は進んでおらず、かつ、企業はフルタイム労働を過剰に削減してしまいました。実際、企業が予想していた以上に景気が回復し、それとともにこのような職種でフルタイム労働者が不足していると感じらるようになったのです。このような職種ではパートタイム労働者を採用して補いをつけることは困難です。そこで、企業はフルタイム労働者の採用を増やし始め、これが最近のフルタイム労働者の増加につながっています。

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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
丁寧にご回答していただき、ありがとうございます。
一部の職種におけるパート比率の「飽和」と呼ばれている点について、私の意見が違っていると理解されているのでしたら、それは誤解です。(私の引用した論文でも、企業におけるパート活用の二極化傾向が小さくなっている点が触れられておりますし。)というか、意見を求められても、(現時点の)私には実態がわかりません。
今回のエントリーのご説明については、(どのようなバックデータをお持ちなのかわかりませんが、)これはこれでコンシステントな説明にはなっていると思いますし、それを否定するつもりもありません。その上で、別の見方もできる点を補足させていただきます。
まず、「反動」という言葉に触れておきます。企業がこれまで「正社員の採用を押さえすぎていた」と解釈するならば、正に「反動」ということになりますが、その時々の情勢に合わせた合理的な判断として正社員の採用が増えてきているのであれば、「反動」というよりも単に正社員雇用の改善傾向ということになります。ただし、ここは判断の難しいところで、恐らく両面あるのだろうと思います。(続く)
rascal
2005/05/23 22:32
その上で、労働供給側から考えた場合、パート雇用の増加は、リストラや賃金の低迷から、主婦の労働需要がパート雇用という形で現れたというのが一般的に共有されている認識だと思うのですが、この場合、正社員雇用が改善傾向にあり、賃金も徐々に上昇していくとの期待が熟成されると、(「ダグラス=有沢」的に見て)パート雇用も伸び悩むと考えるのが自然です。「その1」では、パート労働市場の逼迫にその原因があるかを議論されていますが、一般的には因果関係は逆で、数量の調整に一定のラグを伴い価格が調整されるので、今後、パート市場が逼迫することによりパートの賃金は相対的に高くなるのかも知れません。現在は、まだ数値として現れていないようですが。
つまりは、総需要の改善があれば、一般・パートの格差の問題や、ニートの増加といった話は、(社会的な文脈から見れば)小さな話になっていくというわけです。(勿論、問題の重要性を否定するわけではありません。)
と、話の流れを折ってしまったような気もしますが、まずは、このまま次の話題に話を進めていただければ幸いです。
rascal
2005/05/23 22:33

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