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<<   作成日時 : 2005/08/14 11:52   >>

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利払費」の続きです。
皆さん、松と竹の花をご覧になったことはおありでしょうか?ほとんど目立たない花です。「梅」の花は皆さんご存じでしょう。

財政健全度でも、「松」、「竹」と「梅」の間には大きな差があります。
「松」、「竹」は財政だけ、財政自体を考えているのに対し、「梅」の考え方は経済規模とのバランスで財政を考えているのです。

「梅」の発想は、国債発行残高とGDPの比率を一定に保つということを考えています。GDPは国の経済規模です。国債発行残高が同じでも、規模の大きい国と小さな国ではその重みは違います。
同じ国でも長時間経って経済規模が大きく変わると、やはり同じことになります。

さて、GDPが変化しているとき、国債発行残高との比率(式で書くと国債発行残高÷GDPです。)を一定に保つためには、国債の新規発行額をどれぐらいにすればいいのでしょうか。

利払費」の「梅」で使った例をもう一度書いておきます。

   利払費が10兆円、普通の支出が40兆円、税収が35兆円という場合です。
   国債残高は500兆円、GDPも500兆円とします。国債残高をGDPで割ると1です。
   また、GDPの伸び率は3%であるとします。次の期には500兆円×1.03=515兆円になりま   す。
   
   利払費10兆円+普通の支出40兆円−税収35兆円=新規国債発行高15兆円となります。
   つまり国債残高は500兆円+15兆円=515兆円に増えます。
   でも、GDPも515兆円に増えているので。国債残高をGDPで割ると、依然として1を保ってい    ます。

GDPと国債発行残高の比率を一定にするためには、GDPの名目成長率と同じ率で国債発行残高が伸びればいいのです。

すると
国債発行残高×GDPの名目成長率=国債を新規発行をしてもいい額
となります。

上で書いた例では、最初の国債発行残高は500兆円で、GDPの名目成長率は3%でしたから、500兆円の3%、つまり15兆円が新規発行してもいい額です。

国債を新規発行するのは、利払の費用に充てるため、税収では賄いきれなかったそして利払費以外の普通の支出に当てるためです。

国債を新規発行する額=利払費+税収では賄いきれなかったそして利払費以外の普通の支出
なら、国債発行残高とGDPの比率は一定

書き換えると、

国債発行残高×GDPの名目成長率=利払費+税収では賄いきれなかったそして利払費以外の普通の支出
なら、国債発行残高とGDPの比率は一定ということになります。
この式のことを「梅の計算式」と呼ぶことにします。

うまくいって、
国債発行残高×GDPの名目成長率>利払費+税収では賄いきれなかったそして利払費以外の普通の支出
にできれば、国債発行残高とGDPの比率は徐々にですが下がっていきます。

逆に
国債発行残高×GDPの名目成長率<利払費+税収では賄いきれなかったそして利払費以外の普通の支出
なら、国債発行残高とGDPの比率はどんどん上がっていってしまいます。

さて、ここでちょっと意外なことが起こります。この考え方、基準で行くと「松」や「竹」の方が「梅」より悪いという可能性がでて来るのです。

まず「竹」から始めます。「竹」の想定はこうでした。

 利払費以外の普通の支出を全部税収でまかなえる。利払い費の分だけ、国債残高は増えます。

「竹」の場合、普通の支出を全部税収でまかなえていますから、「梅の計算式」、

国債発行残高×GDPの名目成長率=利払費+税収では賄いきれなかったそして利払費以外の普通の支出

の「税収では賄いきれなかったそして利払費以外の普通の支出」はゼロです。

すると

国債発行残高×GDPの名目成長率=利払費なら、国債発行残高とGDPの比率は一定ということになります。あくまで「なら」です。「竹」であっても「国債発行残高×GDPの名目成長率=利払費」となるかどうかは分かりません。

では、「国債発行残高×GDPの名目成長率=利払費」となるのはどんなときでしょうか。

利払費は国債発行残高に名目利子率を掛けたものです。これと、「国債発行残高×GDPの名目成長率=利払費」の式を組み合わせると、こうなります。

国債発行残高×GDPの名目成長率=利払費=国債発行残高×名目利子率
両端を国債発行残高で割ると、こうです。

GDPの名目成長率=名目利子率

つまり、「竹」の場合、GDPの名目成長率が名目利子率と同じであれば、国債発行残高とGDPの比率は一定になります。

恐ろしいのは、GDPの名目成長率が名目利子率より低いときです。「竹」であっても、国債発行残高とGDPの比率はどんどん上がっていってしまいます。そんな馬鹿なと思われるかもしれませんが、そうなのです。例を作ってみます。

   
   国債残高は500兆円、名目利子率は2%。つまり利払費が10兆円です。普通の支出が40兆   円とします。「竹」ですからこの額をまかなえるだけの税収があります。つまり、税収は40兆円   です。
   GDPも500兆円とします。国債残高をGDPで割ると1です。
   ここで、GDPの成長率が、名目利子率の2%より低い1%であるとします。

1年たつと、どうなるでしょうか。

   国債発行残高は500兆円+利払費10兆円で、510兆円です。
   GDPは500兆円×1.01=505兆円になります。
   国債発行残高をGDPで割ると、510兆円÷505兆円=1.01になります。

比率は上がってしまいました。
   
   利払費10兆円+普通の支出40兆円−税収35兆円=新規国債発行高15兆円となります。
   つまり国債残高は500兆円+15兆円=515兆円に増えます。
   でも、GDPも515兆円に増えているので。国債残高をGDPで割ると、依然として1を保ってい    ます。

同じことが「松」でも起こってしまいます。例を作ります。

   国債残高は500兆円、名目利子率は2%。つまり利払費が10兆円です。普通の支出が40兆   円とします。「松」ですから利払費も普通の支出もまかなえるだけの税収があります。つまり、    税収は50兆円です。
   GDPも500兆円とします。国債残高をGDPで割ると1です。
   ここで、デフレのためGDPの名目成長率が、マイナス1%であるとします。

1年たつと、どうなるでしょうか。

   支出はすべて税収で賄われていますから、国債を新たに発行する必要はありません。ですか   ら、国債発行残高は500兆円で変わりません。
   GDPは500兆円×0.99=495兆円になります。
   国債発行残高をGDPで割ると、500兆円÷495兆円=1.01になります。

「松」で財政はきわめて健全なはずなのに、比率は上がってしまいました。

憂鬱な結果です。気分転換のために、財政健全度の低い「梅」で名目成長利が名目利子率より高い場合を考えてみましょう。

   
   国債残高は500兆円、名目利子率は2%。利払費が10兆円。普通の支出が40兆円、税収が   35兆円という場合です。
   GDPも500兆円とします。国債残高をGDPで割ると1です。
   また、GDPの名目伸び率は名目利子率より高い4%であるとします。
   
1年たつと、どうなるでしょうか。

   国債発行残高は500兆円+利払費10兆円、普通の支出のうち税収でまかなえない額5兆円   で、515兆円です。
   GDPは500兆円×1.04=520兆円になります。
   国債発行残高をGDPで割ると、515兆円÷520兆円=0.99になります。

財政健全度は低いはずなのに、比率を下げることができました。
(続く)

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