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zoom RSS 増税、税率引き上げ、増収、支出

<<   作成日時 : 2005/11/19 22:56   >>

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あまり、気分のよくないタイトルですが、http://d.hatena.ne.jp/dojin/20051116のエントリーへのコメントに触発された記事です。

増税が先か、歳出削減が先かと議論が盛んですが、まあ、「歳出削減が先だ」というのがポピュラーでしょう。その中でdojinさんは増税の必要性を論じておられます。

さて、普通、増税の目的は税収を引き上げることです。中には、タバコに掛ける税金を引き上げて、タバコの価格を引き上げ、タバコの消費量を減らすといった目的を持つものもありますが、本命は税収を上げることです。

ところで、現在の税は、普通、「課税ベース」×「税率」といった構造を持っています。

荒っぽく言えば、
所得税なら、所得×所得税率=所得税
法人税なら、法人の所得×法人税率=法人税
消費税なら、消費×消費税率=消費税
です。

で、実は国は所得、法人所得、消費は決められない、これらは経済活動の結果決まってくるものです。(厳密に言えば課税ベースの定義や控除をを変えることは可能です。また、まったく新しい税金を作ることもできます。)変えることができるのは「税率」だけです。

今議論されているのも基本的には「税率」の引き上げです。

税率の引き上げは、財政再建論者に非常に人気のある政策です。税率を変更しないまま、いろいろな経済政策を採って、経済活動の活発化をはかり、税収の増加を期待するという方策もあります。しかし、経済政策が功を奏すかどうかは不確実です。どのような政策を採るのか、も選択の幅が大きく意のです。一番言い経済政策は何なのか、議論が絶えません。それに比べれば、税率の引き上げは、単純明快な政策です。わかりやすいと言い換えてもいいでしょう。では、税率を引き上げれば必ず税収が増えるのか?必ずしもそうは言えないのが辛いところです。

税率の引き上げが、経済活動を抑制し、課税ベースそのものを小さくする恐れがあるからです。
また、増えた税金を使うのか、赤字削減に当てるのかでも、経済活動、個人、会社の所得、消費の規模は変わってきます。

こんな経済なら税率の引き上げは、経済活動に影響を与えません。

1 百姓が、米、麦を作り、殿様に年貢を納めた後、自家消費するか、蔵に収めて将来の飢饉に備える。
2 殿様は、納められた年貢を自分で食べ、家来に配り、家来は食べる。殿様も、家来も余分はすべて蔵に収めておくか、どこか領外に売り、代金で領外から何か品物を買う。

この場合、三公七民から、五公五民に年貢の率を上げても百姓は米、麦つくりをやめたりはしません。やめれば自分の食べるもの、備蓄する分が減ってしまいます。年貢の率がどうであれ可能な限り最大限の生産をすることが百姓にとって、もっとも有利なのです。したがって、年貢の率をあげればとりあえず年貢の量は増えます。

税率を上げることによって財政再建を果たした例は、農業時代にはあります。もっとも有名なのは、八代将軍、徳川吉宗でしょう。彼は幕府中興の祖として有名です。享保の改革では、幕府財政の再建に成果を挙げました。この再建の、一部は年貢の引き上げによる年貢の増収によるものでした。年貢の率は30%から33%程度に引き上げたとされています。年貢の量は10%の増えたわけです。

このように農業社会で税率の引き上げが経済活動に悪影響を与えないのは、他人に売るために生産をしているのではないからです。市場経済に移行してしまった現在、つまり売るために生産をするようになった現在、税率が経済活動に影響を与えないことはありえません。また、政府の支出が、あるいは支出しないことも経済に影響を与えます。

悪い例があります。橋本内閣時代の1997年に、財政再建を目的に増税、大規模な財政支出の削減を行い、結局、経済活動が縮小と金融危機を招いたことは有名です。その後経済再建のために税率の引き下げと財政支出(金融機関の救済のため、預金者保護のための支出もありました。)の
拡大を余儀なくされました。財政再建をしなければという責任感に基づく行動でしたが、環境を読み誤り、20世紀最後の政府の愚行になってしまいました。

税率の引き上げ、政府の支出と経済活動、税収の関係は極めて複雑で、注意深く扱わなければならないのです。

現在、景気は回復してきたといわれます。確かに景気を支える三本柱のうち、設備投資は増加していますが、原油、資源の値上がりにより貿易収支が悪化しつつあります。ここで、財政再建に走り三本目の柱を切るのは危険です。

景気が順調に回復し続けると判断して財政再建に走り、その判断が間違っていたときは、再び不況に突入し、財政再建そのものも吹き飛びます。

景気が怪しいと判断して、財政再建をしなかったときには、その判断が外れても景気回復によりある程度(実は「かなり」ではないかと私は思っています。)税収は増えます。

失敗したとき弊害の少ない政策を採るべきです。もう少し状況を見極めてから、増税による財政再建に踏み出すかどうかを決断すべきでしょう。

(11月20日に、少し書き換えをしました。)

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