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zoom RSS 作ったもの、使えるもの

<<   作成日時 : 2006/03/05 11:17   >>

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作ったもの(生産)

2005年のGDPが発表されました。http://www.esri.cao.go.jp/jp/sna/qe054/jissuu.html

GDPというのはグロス ドメスティック プロダクト 粗国内総生産です。2005年に国内で作られたものやサービスの総量です。

作った量であればトンや、キロで示すのかというとそうではありません。量なのにトンやキロではなく額で示されています。これは作ったものの量に値段をかけて額を出し、それをすべての生産物について足し上げるという作業をしているからです。

「実質」という考え方があります。量を示すのに額で示していると、生産した量は変わらないのに、値段が変わることによって額が変わるという問題があります。これを回避するためのものです。

具体的には生産した量に、そのときの値段を書けるのではなく基準年(今使われているのは2000年です。)での価格をかけて、額を計算するのです。こうすると値段の変化に影響されずに計算することができます。

2005年の実質国内総生産は539兆2,034億円でした(速報なので今後改定されます。)。2004年には、524兆6,224億円でしたから作ったものは1兆4,581億円、2.8%増えたということになります。

使えるもの(所得)

さて、作ったものは使えます。使うために作っているのですから、当たり前です。では、作ったものが増えれば使えるものが増えるといえるのか?実は、貿易をしている国では、そうではないのです。

ちょっと、例を出します。今、国内に十分資源があり、生産のために必要な原材料を全部、自分の国でまかなうことができるとします。この国で生産量が500から550に増えれば(生産が増加すれば)、使えるものも増えます(所得も増えます)。

もうひとつ別の国を考えましょう。資源に乏しく、国内で物を作るのに、原材料を外国から買ってこなければ(輸入しなければ)なりません。鉄鋼を作るのに石炭や鉄鉱石を輸入するといった具合です。外国はただではくれませんから、自分の国で作ったもの売って(輸出して)、買った代金を支払わなければなりません。

今、ものを値段でなく量で考えることにします。外国から原材料を50単位買ってきて、600単位のものを作り、作ったもの100単位を外国に売って、外国から買った原材料の代金を払ったとします。すると、国内で自由に使えるのは、作った600単位引く原材料輸入のために売った100単位で、500単位です。これを自分で使ってもかまいませんし、それを売って好きなものを買っても、貯金してもかまいません。所得が500単位です。

交易条件

さて、この例では外国から買う原材料1単位に、自国で作ったものを2単位渡さなければならないとしました。原材料の値段が2、自分の国で作った製品の値段が1だということです。自分の国でつくったもの1単位で外国のものを何単位買えるかを、交易条件といいます。この場合、交易条件は1割る2の0.5です。

この交易条件は、外国製品が高くなったり、自分の国の製品が安くなったりすると小さくなります。つまり、自分の国の製品1単位で買える外国製品の量が減ってしまいます。これを交易条件が悪化するといいます。

作ったものと使えるものの差

先ほどの資源のない国の例に戻ります。今交易条件が悪化して、これまで外国製品1単位を買うのに、自分の国の製品2単位ですんでいたのに、これからは4単位渡さなければならなくなったとします。

まず生産を考えましょう。これまで通り、外国から原材料を50単位買ってきて、600単位のものを作るとします。生産量は変わっていませんから、値段の変動がないとして実質GDPを計算すれば変化はありません。

しかし、50単位の輸入にはこれまで100単位ですんでいたのが、今度は50×4=200単位渡さなければなりません。すると自由に使える量は、作った600単位引く原材料輸入のために売らなければならに200単位で、400単位です。100単位減ってしまいました。所得は400に減るのです。

2005年の使えるもの(所得)
最初のほうで書いたように、2005年の実質国内総生産は539兆2,034億円で、2004年よりも、1兆4,581億円、2.8%増えました。これは作ったもの、生産です。

残念ながら、2005年は交易条件は悪化しました。「原油高 その1」で書いたような輸入している原油の値上がりや非鉄金属の値上がりが響いています。

交易条件の変化を考慮に入れて、使えるもの、実質粗国内総所得を考えて見ます。いずれ公表されるでしょうが、まだ公表されていないので、私が試算したものです。2004年には、520兆4,817億円でした。2005年は530兆7,036億円です。増えたのは1兆222億円、2.0%です。

実質国内総生産が増えたほどには、実質国内総所得は増えなかったということです。生産のためには働かなければなりません。確かに、生産が増え働く場も増えたのですが、働いた割には生活はよくならなかったということです。



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