労働、社会問題

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zoom RSS 「「オベリスクとエッフェル塔」について」について

<<   作成日時 : 2006/07/31 22:38   >>

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「オベリスクとエッフェル塔」について」にhamachanさんからコメントと「メイク・ワーク・ペイ」というTBをいただきました。

どうも、誤解があったようで、論点二つが混線していたようです。整理してみます。

一つ目の論点。私の論点です。健康で最低限度の生活を保障するために、例えば、最低賃金や生活保護など単独の政策・制度だけで足りるようにすることは可能か?また望ましいか?

二つ目の論点。hamachanさんの論点です。(だろうと思います。)制度設計に当たり「メイク・ワーク・ペイ」の観点を取り入れるべきか?

おそらくこれに関連する潜在的な論点があります。「メイク・ワーク・ペイ」のための方策は?その実施にあたって生ずる問題は?

私の答えは、こうです。
第一の論点。ノー。ノー。
hamachanさんは、この問題は特に取り上げられていない(と思いますが)。

第二の論点。イエス。この点では意見一致だと思います。

で、この問題解決のための方策です。いろいろなケースがあるのですが、典型的なものを一つ取り上げます。働いていて賃金を受け取っている(15万円とします)が、生活保護水準(20万円とします)に達しないケース。

このケースで単純に差額の5万円支給するとします。(実際の制度はこうではありません。)すると、働かなくても20万円、働いても20万円の収入です。すると、hamachanさんがおっしゃるように働かないことを選ぶ人が増えていく。すると、生活保護費はどんどん増えていってしまいます。

それでは困るので、ワークをペイするようにしなければならない。答えは単純で、15万円給料をえた場合には、例えば、その3分の2の収入があったと見なすことにする。この場合では10万円です。従って給付額は20万円−10万円=10万円。これと実際の給料15万円を合わせると25万円。働くことはペイするわけです。(かなり単純化しています。働いても5万円しか収入が増えないとすると、それなら働かないという人がでてきます。)

このとき、問題が発生します。25万円という収入は、最低限度20万円よりも高い。にもかかわらず給付が行われています。「おかしいじゃないか。」という意見が給付の費用を負担する方からは出てくる可能性があります。

働いて22万円の収入しかえていない人がいるのですからある意味で当然です。働いて22万円しか収入がないひとからは、不満がでるでしょう。

これを抑えるか、我慢してもらえるかどうかが、「メイク・ワーク・ペイ」の成否の鍵です。

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[社会]生活を「どのように」保護するのか
昨日のエントリで触れたメイク・ワーク・ペイの話題に関連して、平家さんが新しいエントリをアップしていた。非常に単純化されていてわかりやすい話なので、リンク先を読んでもらいたい。 「「オベリスクとエッフェル塔」について」について 労働、社会問題/ウェブリブログ ...続きを見る
The best is yet to b...
2006/08/01 04:40
「「「オベリスクとエッフェル塔」について」について」について
「「「オベリスクとエッフェル塔」について」について」に、またまた、hamachanさんからコメントをいただきました。堂々巡りではなく、一歩一歩、前進しています。 ...続きを見る
労働、社会問題
2006/08/01 19:02

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コメント(7件)

内 容 ニックネーム/日時
お示しの設例では、生活保護から働く方に異動する人のインセンティブにはなっていますが、その人よりの低い最低賃金で初めから働いていた人に対しては大変な就労へのディスインセンティブになります。それを「これを抑えるか、我慢してもらえるかどうかが、「メイク・ワーク・ペイ」の成否の鍵です」などといっていられるかが問題です。メイク・ワーク・ペイは、いまドツボな状況で働いている人にも等しく適用されなければなりません。
平家さんは、いろんな制度を適当に重ね着してやればいい、そのことにはhamachanも異議なかろうという風に仰っておられるんですが、全体を一つの制度であるかのように構築しないと、このモグラたたきのようなインセンティブ・ディスインセンティブ問題は取り扱えないのです。「どれか一つの単独の制度で」云々というのではなく、最低賃金、失業保険、生活保護を、一括して単一の制度であるかのように設計運用しなければ解決にならないというのが、メイク・ワーク・ペイの最大のメッセージであると私は考えています。
hamachan
2006/08/01 10:34
hamachanさん、「その人よりの(ママ)低い最低賃金ではじめから働いていた人に対しては大変な就労へのディスインセンテイブになります。」という部分をもう少しご説明いただけますか?働いて収入を増やせば所得は増えるという仕組みになっていないというご判断ですか?
平家
2006/08/01 10:59
hamachanさん、こういうことでしょうか?
例えば働いて22万円の収入を得ていた人が、一旦、働くのを抑えて15万円まで収入を落とし、生活保護を受けて25万円まで収入を増やそうとすると。そういう、モラルハザードを懸念していらっしゃるのですか?
平家
2006/08/01 11:03
それも含みますが、平家さんの設例でいえば、今まで15万円の最低賃金から24万円までのレーンで働いていた人は、いったん生活保護を受けてから働き出せば、より高い賃金が得られることになり、いったん就労を停止するインセンティブが働きます。広範な低賃金就労層(ワーキングプア)に対して、いったん働くのを止めろという強いメッセージが出されることになりますね。
ういうモグラたたきは、最低賃金と生活保護を別々の制度として運用している限りクリアできないでしょう、ということです。
hamachan
2006/08/01 13:01
前にも書いたことですが、最低賃金は労働の対価たる賃金なんだから経済の論理、生活保護は憲法に基づく崇高な福祉なんだから連帯の論理というのは、それ自体は正しいんですよ。正しいんですが、そのお互いに絶対的に正しいものが、このたった一つの社会の中で共存しちゃっているんです。共存している限り、その接触点では、モラルハザードが山のように起こりえます。それぞれの正しさに固執している限り、これは解決不可能なんです。
hamachan
2006/08/01 13:36
お互いに絶対的に正しいものをただ組み合わせれば、シナジー効果が働いてうまくいくどころか、かえって逆効果が相乗作用を起こしてむちゃくちゃになってしまいます。
ご理解いただいていると思いますが、私は最低賃金だけ、生活保護だけでやれなどということは申しておりません。しかし、哲学の全く相反する複数の制度をただ並列することは破壊的な効果を持ちます。組み合わせるというのであれば、それぞれを抜本的にモディファイしなければならないのです。生活保護を組み合わせようとする限り、最低賃金は経済の論理だけではダメなのですし、最低賃金と組み合わせようとする限り、生活保護は福祉の論理だけではダメなのです。
hamachan
2006/08/01 13:41
hamachanさん、コメントありがとうございます。また、記事を書きましたので、お読み下さい。
なお、私は収入がゼロにならなければ生活保護を与えないという考えは持っていません。したがって、15万円から20万円までの所得の人は、単純に生活保護を申請すればいいので、モラルハザードの危険はかなり抑えられていると思います。
平家
2006/08/01 19:15

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