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zoom RSS 均衡予算乗数のまとめの一歩手前 その1

<<   作成日時 : 2007/01/02 12:13   >>

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均衡予算乗数のまとめの二歩手前 その3」では、政府最終消費支出の問題を取り上げました。

今回は、政府固定資本形成を取り扱います。簡単化のため政府最終消費支出はないものとします。

仮定は、これまでと同じです。ただし議論の途中で市場価格表示と要素価格表示の領域に踏み込みます。

さて、政府最終消費支出の場合には、政府はこのサービスの消費者(購入者)としての役割と同時に生産者と役割を担っていました。政府固定資本形成については政府は民間企業から購入するのが普通です。政府自らが労働者を雇って政府固定資本を形成することは不可能ではありません。明治時代には、西洋的な建築、土木の技術を政府が導入し、自ら公共工事を行うが普通でした。鉄道などが、その典型的な例です。しかし、現在ではそういうことはまれですし、議論を単純にするため、公共事業(政府固定資本形成)はすべて、民間が施工する(生産)し、政府がそれを購入すると仮定します。ここでは市場が存在し、市場価格が成立していますが、それが真実の価格とは乖離していることに注意してください。

こう考えると、通常の国民経済計算の場合、市場で成立した価格は受け入れるという考え方から、政府の購入価格を持って生産された政府固定資本の価値とみなされます。この価格には、企業のコストに加えて企業の営業余剰が含まれています。

さて、ここで生産された政府固定資本の真の価値が、購入価格とは異なっている場合、その差をどう考え、国民経済計算の上でどう処理するのかるかというのが問題です。

政府サービスの生産については、通常の国民経済計算では、生産者である政府に営業余剰を認めていません。サービスの真の価値とコストの差がある場合、政府に営業余剰を認めることによって調整をすることができたのです。政府固定資本形成の場合は、すでに生産者に営業余剰が認められているので、同じ手法は使えません。新たな工夫が必要です。

基本的には、二つの選択肢があると考えています。

1 政府に二つの役割を認める。具体的に言うと、固定資本の仕入れ(購入)と販売を行う主体としての役割と、それを購入して国民に提供する主体としての役割を認めるのです。こうすると、固定資本の真の価値が購入価格を上回っている場合、政府は正の営業余剰を得ることになります。

ただ、単なる仲買という役割を設定することには抵抗があります。政府サービスの場合は、生産して販売するという役割と、購入して提供するという役割で単なる仲買ではありません。

また、このやり方の場合、影響が出るのは政府の勘定だけですが、生産者が製品を価値を超える価格で売ったり、それ未満の価格で売ったりするのであれば、生産者の勘定にも影響が出るべきです。

そこで、次のような方法が望ましいと考えています。

2 政府が生産者に対して課税したり補助金を支払っていると考える。この場合、真の価値を越える価格で購入する場合は、補助金の交付、真の価値以下で購入する場合には課税と考えます。

真の価値が市場での名目的な購入額よりも高いときは、こうなります。
 政府の名目的な購入額(通常の国民経済計算の政府固定資本形成)≡政府の真の購入額+補助金の支払い=生産者の政府への真の販売額+政府からの補助金の受取額≡政府への市場での名目的な販売額(通常の国民経済計算上の付加価値+中間投入の額)

これは、政府が固定資本の価値が低いことを知りながら、あえて購入する場合の説明としては妥当なものと考えられます。例えば、建設業、あるいは地元の経済への配慮から、ほとんど利用されるとは考えられない道路やトンネルを作るような場合、これを生産者、生産に携わる労働者への補助(経常移転)とその生産に携わる労働者などへの波及効果と考えて問題はないと考えられます。

他方、政府がそれを意図しない場合、つまり役に立つものを作ったつもりが当てが外れた場合には、結果として、補助に終わってしまったということになります。このような捕らえ方に、多少の無理があるかもしれません。

さらに、真の価値が購入価格を上回った場合も考えなければなりません。この場合はこうなります。

政府の市場での名目的な購入額(通常の国民経済計算の政府固定資本形成)≡政府の真の購入額−生産者への課税額=生産者の政府への真の販売額−政府への税金の納入額≡政府への市場での名目的な販売額(通常の国民経済計算上の付加価値+中間投入の額)


そのような事態が生じるのが、政府が独占的な買い手として利益を得ている場合には、課税という考え方でも問題はないように思います。外部性や規模の経済から生ずる場合には、必ずしも適当ではないかもしれません。 

一応、この形で処理した場合の、国民経済計算を次回取り上げる予定です。

(2007年1月5日 一部修正しました。追加した部分はアンダーラインを引いてあります。)


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