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zoom RSS 「輸入原材料価格の高騰にどう対応すべきか?」について

<<   作成日時 : 2008/09/25 23:15   >>

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輸入原材料価格の高騰にどう対応すべきか?」関連の話題です。

Hamchanさんが「小林慶一郎氏の労働市場規制強化論」で9月17日付日経経済教室の小林慶一郎氏の「スタグフレーション懸念と経済政策 供給サイドの対応軸に」を取り上げています。好意的に見てられるようです。違うかな?

そして、労務屋さんも、「小林慶一郎氏、賃上げを要請」で取り上げているのですが、こちらは批判的です。

この論説、気にはなっていたのです。が、取り上げにくい。よほど注意深く読まないと、小林氏の現状認識がよく分からない文章です。少し順序を並び替えてみます。()内は平家が補った言葉です。

1 現在、日本の景気を下押ししているのは、資源や食料の価格高騰という供給サイドのネガティブショックである。(これ)は、新興国の経済成長にともなって長期的に進んでいくと思われる。

2 資源や食料のコスト上昇がこのまま続けば、海外への所得移転が拡大して、負の所得効果によって(総需要曲線が左にシフトし、)不況が深刻になると思われる。

3 同時に、コストの上昇で物価全体のインフレが進み、インフレと不況が同時進行するスタグフレーションになるかもしれない。スタグフレーションとは、原材料コストの高騰など供給サイドのショックで、総供給曲線が左にシフトした状況として描写できる。

小林氏は、資源や食料の価格高騰によって、需要曲線の左シフトと供給曲線の左シフトが同時に起こると、正しい認識を示されています。

図が添えられているのですが、これは上の3だけを示す図です。2の総需要のシフトは描かれていません。現状を示すものにするためには、需要曲線の左シフトも書き込まなければなりません。

このような需要曲線の左シフトを書き込んでみると、面白いことが分かります。この図で示されているよりも左側に均衡点が来ます。つまり、生産はさらに減ります。また、物価の上昇の程度は図よりも低くなり、場合によればぜんぜん上がらないか、下がることさえあります。

小林氏は
4 今回のケースでは賃金は上昇していない。賃金上昇がないということは、現在の日本経済で、国内総生産ギャップが再び拡大している、すなわち需要不足になっていることを示すものでもある。
と書かれています。

需要が不足しているなら、需要を補う政策をとろうというのが自然な発想でしょう。普通なら、マクロ政策の出番です。しかし、小林氏はそれを退けます。理由が二つあるようです。
第1の理由はこれです。
5 (スタグフレーション下では)財政出動や減税などの財政政策、金融緩和政策とも総需要曲線を右にシフトさせる政策と解釈できる。つまり、不況を緩和しようとする財政・金融政策を発動するとインフレが激しくなる。
第二の理由はこうです。
6 現在の日本のように政府債務があまりに巨大な国では、財政出動が「将来財政破綻するのではないか」という市場の不安を高め、結果的に、長期金利を上昇させる可能性がある。そうなれば、(企業の設備投資や民間住宅投資の減少を招き、)景気は悪化する。 

そして、小林氏は、こう主張します。

7 行政指導やミクロな労働市場規制(によって、)企業に対して賃金上昇を促す政策は、日本経済の内需を強化し、景気を下支えするための有効な政策である。

8 しかし、賃金上昇が製品価格の上昇に転嫁され、それがまた賃金を上昇させるようになると、インフレ加速のスパイラルに陥る。(この)スパイラルを起こさないためには、労働分配率を上げて(=資本の分配率を下げて)、家計の取り分を増やす方向に(=企業の取り分を減らす方向に)経済構造を変える必要がある。

9 (このように経済構造を変える)には、ミクロの労働政策の課題として、労働者の使用者に対する賃金交渉力を高める制度改革に取り組むことが喫緊の課題であろう。

Hamchanさんが、評価し、労務屋さんが、批判されるのも宜なるかなです。ただ、残念なことに「労働者の使用者に対する賃金交渉力を高める制度改革」とは、具体的に何なのかは示されていません。経済産業大臣が経団連に賃上げを促すことではないでしょう。

 (続く)

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