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<<   作成日時 : 2008/09/28 10:07   >>

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「輸入原材料価格の高騰にどう対応すべきか?」について」の続きです。

たとえ、経済産業省が経団連に対して行政指導を行っても賃金が上がる訳がないと思われますし、「労働者の使用者に対する賃金交渉力を高める制度改革」が何なのか分からないとなると、元に戻って「財政出動や減税などの財政政策、金融緩和政策とも総需要曲線を右にシフトさせる政策」の是非を検討する必要があるでしょう。

前回の繰り返しになりますが、小林氏が挙げる反対理由の第1は「(スタグフレーション下では)財政出動や減税などの財政政策、金融緩和政策とも総需要曲線を右にシフトさせる政策と解釈できる。つまり、不況を緩和しようとする財政・金融政策を発動するとインフレが激しくなる。」というものです。

確かに輸入資源や食料の高騰が総供給曲線を左にシフトさせる効果を考えれば、インフレを懸念しなければならないというのはよく分かりますが、そのような高騰は同時に総需要曲線も左にシフトさせます。それによって両者の効果を組み合わせると、国内生産量、交易損失を差し引いた後の所得の大幅減退は確実です。これを放置すれば、生活水準は大幅に低下します。さらにインフレゼロにするためには大不況が必要でしょう。

8月は原油輸入減少、価格は最高」で書きましたが、輸入原油価格が7割近く上がっても、消費者物価の上昇率はたかだか2%台です。インフレをおそれる必要などないと思います。問題なのは生産の減少です。

ついでですが、小林流の労働分配率引き上げ→賃金上昇→労働者の所得増加→消費・住宅投資の増加という政策も、総需要曲線を右にシフトさせることに変わりはありません。小林氏の主張は矛盾しています。

なお、少しややこしくなりますが、「輸入資源や食料の高騰」はGDPデフレーターを引き下げます。したがって、GDPデフレーターを維持する(=デフレーションを引き起こさない)ためには、(総需要曲線を右にシフトさせて)、総需要を増やす必要があります。小林氏は国内物価の上昇をインフレと考えられているようです。関心のある向きは「輸入原材料価格の高騰にどう対応すべきか?」をお読みください。

小林氏の「現在の日本のように政府債務があまりに巨大な国では、財政出動が『将来財政破綻するのではないか』という市場の不安を高め、結果的に、長期金利を上昇させる可能性がある。そうなれば、(企業の設備投資や民間住宅投資の減少を招き、)景気は悪化する。」という懸念は、専ら「財政出動や減税などの財政政策」に当てはまるもので金融政策には関係がないと思われます。

現在の日本の名目金利は低くこれ以上引き下げる余地は殆どありませんが、あえて言えば、物価上昇率が高くなっても金利を上げないという形での緩和の余地はあるでしょう。

また、財政政策も不可能ではありません。介護保険料を引き上げて、介護報酬を引き上げれば、財政赤字を生むことなく、低所得層への所得再分配ができます。保守親父@労務屋さんも書かれているとおり、「内需を強化するのであれば、物価上昇の影響を受けやすい低所得者の所得の底上げが効果的」です。

さらに、もし現在の日本経済が「全治3年」であれば、3年後に税率を引き上げる法律を現在通して、財政出動するという方法もあります。「児童手当」など消費の拡大には良い方法でしょう。

なお、総需要曲線を右にシフトさせない場合、国内の生産活動は減りますし、所得はさらに交易損失分だけ減ります。税収の大幅減少は避けられません。将来の財政破綻より、近く起こる歳入欠陥を心配すべきです。

「賃金上昇が製品価格の上昇に転嫁され、それがまた賃金を上昇させるようになると、インフレ加速のスパイラルに陥る。」という懸念についても一言。交易損失により総需要が減っている現在、そのようなスパイラルに陥る心配はありません。

どうも小林氏は、スタグフレーションを警戒するあまり、交易条件の悪化による所得流出の悪影響を軽んじてしまっているように思われます。

輸入原材料価格の高騰にどう対応すべきか?」に書きましたが、過去の石油危機は生産の増加によって克服されました。

歴史に学びましょう。生産の増加をもたらすのは需要の増加です。


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