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zoom RSS 非正規労働者の結婚

<<   作成日時 : 2011/03/16 22:31   >>

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厚生労働省が21世紀成年者縦断調査を発表しました。
http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/judan/seinen11/index.html

原発の事故や地震に隠れてほとんどマスコミには取り上げられないでしょう。少し書いてみたいと思います。

この調査は、平成14年から毎年実施している調査です。縦断調査とは、パネル調査と言われますが、同一の調査対象者を継続的に調べて、調査対象者の実態や意識の変化を時系列的にとらえていく調査です。家計経済研究所や慶応大学でも同じように調査が行われていて、面白い結果が得られています。

この調査の対象者は、平成14年10月末時点で、20歳から34歳であった男女及びその配偶者です。第8回調査は、平成21年11月に実施されていて、対象者の年齢は27歳から41歳となっています。

調査の対象となった方は毎年回答を続けなければならないので、大変だと思います。回答していただけるおかげで他の調査では得られない貴重な情報が得られています。

内容に移ります。まず、平成14年の第1回調査の時に独身であった方が7年間の間に結婚したり,独身を続けている状況です。

男女の結婚行動には差がありますので、男女別に見ていきます。表1、図1が「この7年間の結婚の状況」です。

第1回調査時の独身者(表1の「配偶者なし」が独身者です。)のうち男は29.4%,女は37.6%が結婚しています。年齢別に見ると、男女とも、第1回の年齢25歳から29歳の人が結婚した割合が高く、男32.9%、女43.5%となっています。現在は32歳から36歳ですから、結婚しやすい時期だったと思われます。

過去1年間の結婚の状況を見ると、少し違いがあります。男女とも第1回の年齢20歳から24歳の人が結婚した割合が高く、男4.3%、女5.6%です。現在は27歳から31歳です。女性の結婚の多い年齢層です。
これからいろいろな数字を紹介しますが、平均するとそれなりに男女差があることを念頭においてください。

次に、ある時に正規労働者であった人と非正規労働者であった人との間で、その後の1年間の結婚率に差があったかどうかを見ています。2種類の表があります。

二つの差について、26ページに図解があります。
上が表2,図2の説明です。ある回の調査で就業形態が正規であった者と非正規であった者を選びます。正規であった者が次回までに結婚した割合と、非正規であった者が次回までに結婚した割合を求めています。
これは1時点に着目したものですが、少し長い期間に着目したものが下にあります。連続3回の就業形態を調べ、3回連続して正規であった人と3回連続して非正規であった人を選び出します。そして1年間に結婚した人の割合を求めています。その結果が表3と図3です。

図2を見ると、例外はありますが、男女ともに、正規であった方が結婚した割合は、非正規であった人が結婚した割合よりも高くなっています。
 
男性の場合、予想通りで分かりやすい結果です。女性の目から見て,結婚相手を選ぶ時には、男性が安定した稼ぎのある男性かどうかは気になるでしょう。他の条件が同じなら安定した生活を支える力のある男性の方を選ぶでしょう。

 私にとって、やや、意外だったのは女性でもこのような傾向があることです。男性ほど大きな差があるわけではありませんが、女性でも正規の方が結婚した割合が高いのです。平均すると、男性は正規が6.3%、非正規が2.1%ですから正規の結婚割合は3倍です。女性では7.7%対5.7%ですから、1.35倍です。正規の女性と非正規の女性で他の条件にも差があるせいなのか,あるいは男性も結婚相手に安定した稼ぎを求めているのか、あるいは結婚しやすい正規の男性の周囲には、正規の女性が多いのか?それとも結婚したい女性が正規で働くことを選んでいるのか?どんな理由でしょうか?

図3が連続する過去3回の就業形態との関係を見たものです。やはり男女ともに、正規の方が結婚した割合は高く、正規が結婚しているという傾向は、男性の方がはっきりしています。

過去1回と過去3回の影響を考えてみれば、3回連続正規のほうが1回だけ正規より安定度が高いでしょうし、過去3回非正規のほうが過去1回非正規より不安定でしょう。男性の結婚しやすさに仕事の安定度が影響しているなら過去3回のほうが効果が大きいはずです。過去3回正規の男性の結婚割合は7.1%、3回連続非正規の結婚割合は2.0%ですから、3.55倍です。過去1回なら3倍ですから、理論通りといっていいでしょう。

女性についても過去3回正規は非正規の1.42倍で、過去1回の1.35倍よりやや高い程度です。やはり男性の結婚への影響のほうが強いと考えられます。

さて、日本では生まれる子はほとんど嫡出、つまり結婚したカップルの子です。結婚しなくとも子はできるのですが、できると出産前に結婚してしまうのです。

すると、非正規労働者の男性が結婚する確率が、かなり低いということは子供を持つ確率も低いということを意味します。

一方で、若年男性の非正規かは徐々に進んでいるようです。

二つを組み合わせると、若年男性の非正規化が進めば子供が減るだろうという推測が成り立ちます。非正規化の進行を止められないのであれば、そして、出生を増やしたいのであれば非正規のままでも子供を産み育てることのできる環境を整える必要があるということになります。

日本でも本格的な家族給付が必要であると、私は思います。

次回もこの調査を取り上げます。

(続く)

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