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zoom RSS 少し別の見方その2 協調の失敗

<<   作成日時 : 2015/03/27 19:35   >>

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少し別の見方」の続きです。

賃金の決定について山崎先生は、次のように述べられています。

さて、昨年に続き今年の春闘でも、いわゆる政労使会議が開かれて、政府・労働組合・経営者が一同に会し、政府が賃上げを要請して、近年としては大きな賃上げが連続して実現します。
 原則論を言うなら、賃金は雇用者と被用者が自由な交渉の下で決めるもので、政府が賃上げに介入することはいいことではありません。とはいえ、トリクルダウンの難しさを考えるなら、デフレ脱却に向けた環境整備の一環として、肯定出来る面もあります。
 政府が賃上げを要請する異例の状況は、いつまで続くでしょうか。物価上昇を上回る賃金上昇が自然に実現するような環境になれば、この「官製春闘」はなくなるはずであり、その時こそが「アベノミクスは成功した」と言える時でしょう。


 おおむね賛成なのですが、あるいは認識は、食い違っているのかもしれません。

 デフレからの脱却を長期にわたる不況からの脱却と理解したうえで、政府の介入の是非を考えてみたいと思います。先生は、デフレをもっと厳密に物価の持続的な下落と考えられている可能性もあります。誤解であればすいません。

 なぜ、今回の不況が始まったかは別にして、なぜ不況が続いているのか、そのメカニズムは「協調の失敗」ではないかというのが、私の仮説です。

 いま、ある企業を考えます。企業は、将来何が起こるかを考えて、自社の戦略を決めるものです。この企業が他の多くの企業は生産を拡大し、雇用を拡大するだろうと予測したとします。この場合、多くの企業が雇用を拡大するのだから、日本の家計の多くを占める労働者の家計の収入は増え、それに伴って消費も増やすだろうと予測するのが、自然です。また、この場合、賃金も上昇すると考えるのが普通でしょう。 生産増、消費増、雇用増、賃金上昇という組み合わせには無理がありません。

 このような予想を立てた場合、この企業は、利益を得る機会を逃さないために、生産を増やし、雇用を増やすでしょう。雇用を増やすためには、それ相応の賃金上昇、世間並みの賃金引き上げも許容するでしょう。

 さて家計も、企業ほど意識的ではないかもしれませんが、将来の予想を立てて、現在の行動を決めます。ある家計が、多くの企業は生産を拡大し、雇用を拡大するだろうと予測したとします。この場合、多くの企業が雇用を拡大するのだから、日本の他の家計の多くを占める労働者の家計の収入は増え、それに伴って消費も増やすだろうと予測するのが、自然です。また、この場合、賃金も上昇すると考えるのが普通でしょう。先の企業と同じように、 生産増、消費増、雇用増、賃金上昇という組み合わせの予想をすることになります。

 このような家計は、消費を増やすでしょう。

 さて、多くの企業が、上のような予想をし、多くの家計も上の家計も同じような予想をした、つまり楽観的な予想を共有したとすると、どのような行動をとるでしょうか?多くの企業が生産と雇用を拡大し、賃金の引き上げも行います。また多くの家計が消費を増やします。結局、日本経済全体で、生産増、消費増、雇用増、賃金上昇が起こります。多くの企業や家計の予想が実現するのです。

 予想が当たった場合、外部からのショックがない限り、企業も家計も将来予想を変えないでしょう。すると、日本経済全体で、生産増、消費増、雇用増、賃金上昇が続くことになります。言い換えれば、持続的成長コースに乗るのです。

 逆のケースを考えましょう。多くの企業が他の多くの企業は生産を抑制し、雇用も縮小するだろうと予測したとします。この場合、多くの企業が雇用を縮小するのだから、家計の収入は減り、消費を減らすだろう予測するのし、また、賃金も下落すると予想する普通でしょう。 生産抑制、消費減、雇用減、賃金下落という組み合わせには無理がありません。

 このような予想を立てた場合、この企業は、損失を避けるために、生産を減らし、雇用を減らし、賃金も抑制するでしょう。

 多くの家計が、多くの企業は生産を縮小し、雇用を抑制するだろうと予測したとします。この場合、多くの企業が雇用を抑制するのだから、日本の他の家計の多くを占める労働者の家計の収入は減り、それに伴って消費も減らすだろうと予測するのが、自然です。また、この場合、賃金は下がると考えるのが普通でしょう。先の企業と同じように、 生産抑制、消費減、雇用減、賃金下落という組み合わせの予想をすることになります。多くの家計は消費を減らすでしょう。

 この場合も、多くの企業と家計に共有されていた予想は実現します。不況になるのです。そして、大きな外部からのショックがない限り、予想は維持されます。結果的に、長期不況に陥ることになります。

 さて、経済の実態がどうであれ、予想の立て方次第で、望ましい持続的な成長コースに乗ったり、長期不況に陥ったりします。皆がうまく調整すればいい結果が得られるのに、協調ができないために望ましくない結果がもたらされるのを協調の失敗と呼びます。

 今回の長期不況は協調の失敗であるというのが私の見立てです。

 したがって、これから脱却するためには、企業や家計の外部から大きなショックを与えてやる必要があり、さらに企業や家計が、賃金が上がり、消費も増えるという予想を持つようにする必要があります。

 大規模な金融緩和と財政出動は外部からのショックであり、予想形成を進めているのが、政労使会議など政府の介入でしょう。

 であるなら、今回の賃金決定への介入は容認されるでしょう。

 うまくいって成長コースに乗り、介入が必要なくなるればいいと思っています。

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