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zoom RSS 毎月勤労統計でみる労働経済の動き(2015年9月)

<<   作成日時 : 2015/11/24 15:25   >>

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9月分が発表されました。

常用雇用は、全体では対前年同月比2.0%の増加です。7月から4か月連続して2.0%です。内訳をみるとフルタイム労働者(一般労働者)の増加率が1.3%であり、パートタイム労働者の増加率は3.9%となっています。7、月8月と比べると一般労働者の増加率が高まり、パートタイム労働者の増加率が低下しています。7、月、8月は一般労働者の増加率が1%を切り少し心配していたのですが、ほっとしました。

常用雇用の増加率(%)
全体フルタイムパートタイム
14年4月1.4
0.63.3
5月1.40.73.1
6月1.51.02.8
7月1.71.13.0
8月1.71.32.4
9月1.71.12.9
10月1.61.02.8
11月1.61.12.8
15年1月2.01.13.9
2月2.10.84.9
3月1.90.64.6
4月2.01.33.8
5月2.01.43.5
6月2.11.14.4
7月2.00.94.7
8月2.00.94.7
9月2.01.33.9


総実労働時間は、常用労働者全体では0.9%の短縮に転じました。就業形態別にみると、フルタイム労働者は0.6%短縮、パートタイム労働者は0.2%の短縮です。7月、8月と短縮していたフルタイム労働者の所定外労働時間は0.1%長くなっています。パートタイムの所定内労働時間は1.3%短縮されています。出勤日数も0.2日減っています。雑徭労働者に占めるパートタイム労働者の割合が高まっていて、フルタイム労働者の総実労働時間も短くなっているので全体の総実労働時間も短くなっています。
なお、2014年の9月は土曜日が4日、日曜日が4日、国民の祝日が2日でしたが、2015年は、土日の数は同じですが、祝日が1日増え3日でした。所定内労働時間の短縮はこれも影響していると思われます。

毎月勤労統計でみる労働経済の動き(2015年8月分確報)」で、次のように書きました。

パートタイム労働者の人数は大幅に増えていますので、本当に短時間しか働かない労働者でも企業がえり好みせずに採用をしている可能性が高いと思われます。「毎月勤労統計でみる労働経済の動き(2015年7月分確報)」でも書きましたが、これによって、就業経験がない、あるいはアルバイト程度しかないという理由で採用してもらえなかった30歳代、40歳代の男性がパートタイム労働であっても仕事に就けるようになるといいのですが。ある程度長く勤めれば、仕事ができることを示すことができます。


これが実現して、フルタイム労働者の増加率が高まっているならいいことです。

総実労働時間の増加率(%)
全体フルタイムパートタイム
14年4月△0.7△0.2△0.4
5月△0.8△0.4△0.8
6月0.51.0△0.1
7月0.71.0△0.2
8月△1.6△1.5△1.9
9月0.50.8△0.2
10月0.51.2△1.4
11月△2.7△2.7△2.0
12月△1.1△0.7△1.7
15年1月0.00.4△1.0
2月△0.20.5△0.5
3月1.52.3△0.3
4月1.21.5△0.2
5月△2.7△2.9△1.8
6月△0.10.4△1.2
7月△0.30.4△1.1
8月0.30.7△0.2
9月△0.9△0.6△1.3


常用雇用の増加率と総実労働時間の増加率を足して(近似値になります。)、労働投入を考えますと、1.1%増加しています。、7月、8月に比べて伸び率は低いですが、祝日の影響を考え合わせると増加の基調に変化はないようです。

総労働投入の増加率(%)
全体フルタイムパートタイム
14年4月0.70.42.9
5月0.60.32.3
6月2.02.02.7
7月2.42.12.8
8月0.1△0.20.5
9月2.21.92.7
10月2.12.21.4
11月△1.1△1.6△0.8
12月0.60.51.1
15年1月2.01.52.9
2月1.91.34.4
3月3.42.94.6
4月3.22.83.6
5月△0.7△1.51.7
6月2.01.53.2
7月1.71.33.6
8月2.31.64.5
9月1.10.72.6


これに対して名目で見たひとり当たりの平均賃金の動きです。現金給与総額は、常用労働者全体では8月と同じく0.4%増加しています。フルタイム労働者は、0.6%の増加、パートタイム労働者はやや下回る0.4%の増加です。

パートタイムの所定内給与は0.3%の増加、所定内労働時間は1.3%の短縮ですから、1時間当たりの所定内給与では1.0%の上昇です。実質で見ても0.9%の上昇です。賃金率が上がり雇用が増えているのですから、パートタイム労働市場の需給はタイト化しています。しかし、雇用は高い割合で増加し続けているので供給源が枯渇している訳ではありません。

フルタイム労働者の所定内給与は0.2%の増加、所定外給与も1.6%増えています。順調です。

名目賃金の増加率(%)
全体フルタイムパートタイム
14年4月0.71.20.9
5月0.61.00.8
6月1.01.50.7
7月2.43.01.0
8月0.91.30.6
9月0.71.10.5
10月0.20.60.2
11月0.10.7△1.1
12月1.31.8△0.4
15年1月0.60.90.3
2月0.10.60.8
3月0.00.60.6
4月0.70.91.3
5月0.71.1△0.6
6月△2.5△2.2△0.5
7月0.9(0.5%)1.3(1.0%)0.7(0.4%)
8月0.4(0.2%)0.7(0.4%)1.7(1.4%)
9月0.4(0.3%)0.6(0.5%)0.4(0.3%)


(  )内は消費者物価指数の帰属家賃を除く総合で実質化したもの。9月の指数は0.1%の上昇でした。


雇用者所得はどうなっているか、試算してみると(やはり近似計算です。)全体では名目では2.4%と大幅な増加です。フルタイム労働者は1.9%の増加、パートタイム労働者は4.3%の大幅増加です。帰属家賃を除く総合の消費者物価指数は0.1%の上昇でしたので、全体は実質でも2.3%と大幅な増加です。

雇用者所得の増加率(%)
全体フルタイムパートタイム
4月2.11.84.2
5月2.01.73.9
6月2.52.53.5
7月4.14.14.0
8月2.62.61.8
9月2.42.23.4
10月1.81.63.0
11月1.71.81.7
12月3.03.02.4
15年1月2.62.04.2
2月2.21.45.7
3月1.9(△0.8)1.25.2
4月2.7( 1.9)2.25.1
5月2.7( 2.0)2.52.9
6月△0.4(△0.9)△1.13.9
7月2.9(2.6)2.25.4
8月2.4(2.1)1.66.4
9月2.4(2.3)1.94.3

(  )内は消費者物価指数の帰属家賃を除く総合で実質化したもの。

毎月勤労統計でみる労働経済の動き(2015年8月分確報)」で、次のように書きました。

ボーナスの影響をあまり受けない8月ということを考えると、一応、消費税率引き上げの悪影響からは抜け出ることができたのかもしれない。9月に注目である。


悪影響から脱却できたことが確認できたように思います。

基本的には雇用が増加し、労働力の需給はタイト化してきていて、改善基調に変化はないというのが私の判断です。消費も安定した伸びを続けるだろうと考えています。
ただし、完全雇用にあるとは考えていません。現在、低賃金の労働市場であるパートタイム労働市場では、1時間当たり賃金が1%上昇すれば、雇用が4%程度増加するという状態が続いています。本当に完全雇用になったら、賃金を上げても、中賃金、高賃金の職に移るために、パートタイム労働者の雇用は減るはずです。現状は完全雇用からほど遠いといわざるを得ません。


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