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<<   作成日時 : 2016/04/01 08:55   >>

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家計調査 2016年1月 その2」について
2月分の家計調査が発表になりました。かなり消費の動きはネガティヴに捉えられているようです。私はそれほど悲観的な数字ではなかったと捉えています。

まず、家計調査の基礎的な事項ですが、地域区分があります。人口5万人以上の市はさらに細分されているのですが、今回の問題ではこれと5万人未満の市、町村の区分が重要です。

地域別の家計調査の基本
地域全国人口5万人以上市人口5万人未満市・町村
世帯数分布(A)10,0008,5361,464
集計世帯数(B)3,8623,642220
(A)÷(B)2.592.346.65


人口5万人未満の市・町村の世帯数が全体の15%程度と少ないのですが、また、集計世帯数そのものが小さいので、集計世帯から得られた平均値が人口5万人未満の市・町村の世帯の本当の平均値から離れたものになりやすくすなっています。家計調査の集計対象となった世帯の割合はさらに低く、結果的に一つの集計世帯の全体への影響力が5万人以上の市の集計世帯に比べて高くなっています。

さて、勤労者世帯の消費の元は主に収入、それも安定した収入です。それに当たるのが世帯主が勤め先から得ている定期収入と、そして、世帯のメンバーが得ている公的年金です。収入全体とこの二つの前年同月比をとると次のようになっています。

収入の変化(単位:%)
地域全国人口5万人以上市人口5万人未満市・町村
実収入△2.00.7△16.7
定期収入△2.5△0.2△15.8
公的年金△7.6△2.9△35.1


一見して明らかなように、圧倒的多数派である5万人以上市の収入全体は微増で、安定した収入もそれほど減っているわけではないのに、少数派である5万人未満市・町村が極めて大きな減少となっているため勤労者世帯全体が減っているというのが2月の状況です。

ちなみに全体では、実収入は9,895円の減少で、定期収入が8,765円、公的年金給付が2,909円の減少ですから、この二つで実収入の減少は説明されます。5万人以上では実収入は3,259円増加で、定期収入は786円減少、公的年金は1,098円減少です。これを世帯主の配偶者の勤め先収入の増加、5,729円で補っています。5万人未満では、実収入は85,338円、定期収入は55,281円、公的年金は13,464円の減少です。

次に問題の支出を見てみましょう。

支出の変化(単位:%)
地域全国人口5万人以上市人口5万人未満市・町村
実支出2.43.8△6.7
消費支出2.23.2△4.6


ここでも大きな差が生じています。注目の的の消費支出は、圧倒的多数派である5万人以上市の消費支出は3.2%増です。閏年を単純に日数で補正した場合、ほぼ横ばい、実質微減となる数字です。5万人未満市・町村が大きな減り方をしているため勤労者世帯全体が2.2%しか増えないという状況です。

支出の変化(単位:%)
地域全国人口5万人以上市人口5万人未満市・町村
可処分所得△3.0△0.4△17.4
消費支出2.23.2△4.6
平均消費性向3.9ポイント上昇2.6ポイント上昇10.0ポイント上昇


可処分所得でも、5万人未満が大きな減り方をして全体を押し下げ、平均消費性向は大幅に上昇して全体を押し上げています。

さて、定期収入や公的年金の減少などによる実収入の減少、可処分所得の減少、可処分所得ほどではない消費の減少、平均消費性向の上昇という5万人未満での変化は、その幅が大きいということを度外視すれば、不思議なものではありません。サンプル内の整合性はとれています。

問題は、このような大きな変化が母集団、つまり5万人未満の地区の勤労者世帯全体の平均で起こっていたのか?、そして起こっていなかったとすると、2015年2月の水準が高すぎたのか、逆に2016年の水準が低すぎたのか?この二つです。


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