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zoom RSS 毎月勤労統計でみる労働経済の動き(2016年2月)

<<   作成日時 : 2016/04/22 13:26   >>

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毎月勤労統計でみる労働経済の動き(2016年1月)」の続きです。2月分の確報が発表されました。

常用雇用は、全体では対前年同月比1.9%の増加です。2.0%以上が7か月続いていたのですが、これで途切れました。内訳をみるとフルタイム労働者(一般労働者)の増加率が1.9%であり、パートタイム労働者の増加率は2.3%となっています。「毎月勤労統計でみる労働経済の動き(2015年12月)」で「いったいどこまで増えるのでしょうか?供給余力がどれだけあるのか、見当がつきません。」と書きましたが、1月は4%を割り、2月も3%を割りました。次に示すような季節調整値の動きもあり、パートタイム労働市場の動きに注意が必要です。一方、フルタイム労働者の雇用は依然として堅調です。

参考までに、季節調整値で前月比を見ると、全体では0.0%で横ばいです。内訳を見るとフルタイムが0.3%増加しているのに対して、パートタイム労働者は0.1%とわずかではありますが、減少しています。

常用雇用の増加率(%)
全体フルタイムパートタイム
14年12月1.71.22.8
15年1月2.01.13.9
2月2.10.84.9
3月1.90.64.6
4月2.01.33.8
5月2.01.43.5
6月2.11.14.4
7月2.00.94.7
8月2.00.94.7
9月2.01.33.9
10月2.21.34.5
11月1.61.14.5
12月2.32.44.4
16年1月2.11.43.6
2月1.91.92.3


総実労働時間は、常用労働者全体では0.4%の増加です。就業形態別にみると、フルタイム労働者が0.6%の増加する一方でパートタイム労働者は0.5%減少しています。パートタイム労働者の短縮傾向には変化がありません。

総実労働時間の増加率(%)
全体フルタイムパートタイム
14年12月△1.1△0.7△1.7
15年1月0.00.4△1.0
2月△0.20.5△0.5
3月1.52.3△0.3
4月1.21.5△0.2
5月△2.7△2.9△1.8
6月△0.10.4△1.2
7月△0.30.4△1.1
8月0.30.7△0.2
9月△0.9△0.6△1.3
10月△2.7△2.6△1.4
11月0.00.6△1.5
12月△0.20.2△1.0
16年1月△0.9△0.4△0.3
2月0.40.6△0.5


常用雇用の増加率と総実労働時間の増加率を足して(近似値になります。)、労働投入を考えますと、2.3%の増加です。今回、フルタイム労働者の伸び率がパートタイム労働者の伸び率を上回りました。

総労働投入の増加率(%)>
全体フルタイムパートタイム
14年4月0.70.42.9
5月0.60.32.3
6月2.02.02.7
7月2.42.12.8
8月0.1△0.20.5
9月2.21.92.7
10月2.12.21.4
11月△1.1△1.6△0.8
12月0.60.51.1
15年1月2.01.52.9
2月1.91.34.4
3月3.42.94.6
4月3.22.83.6
5月△0.7△1.51.7
6月2.01.53.2
7月1.71.33.6
8月2.31.64.5
9月1.10.72.6
10月△0.5△1.33.1
11月2.01.73.0
12月2.11.63.4
16年1月1.21.03.3
2月2.32.51.8


これに対して名目で見た一人当たりの平均賃金の動きです。現金給与総額は、常用労働者全体では0.7%の増加です。フルタイム労働者は、1.0%の増加、パートタイム労働者も0.8%の増加です。

しかし、パートタイムの所定内給与は0.6%の増加、所定内労働時間は0.2%の短縮ですから、1時間当たりの所定内給与では0.8%の上昇です。これは、今年がうるう年で2月の日数が1日多かったことも影響していると思われます「毎月勤労統計でみる労働経済の動き(2015年11月)」でも書きましたが、賃金率が上がり雇用が増えているのですから、パートタイム労働市場の需給はタイト化しています。しかし、雇用は高い割合で増加し続けているので供給源が枯渇している訳ではありません。

名目賃金の増加率(%)
全体フルタイムパートタイム
14年12月1.31.8△0.4
15年1月0.60.90.3
2月0.10.60.8
3月0.00.60.6
4月0.70.91.3
5月0.71.1△0.6
6月△2.5△2.2△0.5
7月0.9(0.5)1.3(1.0)0.7(0.4)
8月0.4(0.2)0.7(0.4)1.7(1.4)
9月0.4(0.3)0.6(0.5)0.4(0.3)
10月0.7(0.4)1.1(0.8)0.1(△0.2)
11月0.1(0.3)0.7(0.3)△1.1(△1.5)
12月0.0(△0.2)0.4(0.2)0.5(0.3)
16年1月0.0(0.0)0.5(0.5)△0.3(△0.3)
2月0.7(0.3)1.0(0.6)0.8(△0.4)


(  )内は消費者物価指数の帰属家賃を除く総合で実質化したもの。2月の指数は0.4%の上昇でした。

雇用者所得を試算してみると(やはり近似計算です。)全体では名目では2.6%と大幅な増加です。フルタイム労働者は2.9%の増加、パートタイム労働者は3.1%の増加です。帰属家賃を除く総合の消費者物価指数は0.4%の上昇でしたので、全体は実質でも2.2%と大幅な増加です。

雇用者所得の増加率(%)
全体フルタイムパートタイム
14年5月2.01.73.9
6月2.52.53.5
7月4.14.14.0
8月2.62.61.8
9月2.42.23.4
10月1.81.63.0
11月1.71.81.7
12月3.03.02.4
15年1月2.62.04.2
2月2.21.45.7
3月1.9(△0.8)1.25.2
4月2.7( 1.9)2.25.1
5月2.7( 2.0)2.52.9
6月△0.4(△0.9)△1.13.9
7月2.9(2.6)2.25.4
8月2.4(2.1)1.66.4
9月2.4(2.3)1.94.3
10月2.9(2.6)2.44.6
11月2.1(1.7)1.6(1.2)4.6(4.2)
12月2.3(2.1)1.8(1.6)4.9(4.7)
16年1月2.1(2.1)1.9(1.9)3.3(3.3)
2月2.6(2.2)2.9(2.5)3.1(2.7)


毎月勤労統計でみる労働経済の動き(2015年9月)」でも書きましたが、基本的には雇用が増加し、労働力の需給はタイト化してきていて、改善基調に変化はないというのが私の判断です。最近不調を伝えられている消費も安定した伸びに復帰するだろうと考えています。

これまで、低賃金の労働市場であるパートタイム労働市場では、1時間当たり賃金が1%強上昇すれば、労働投入量が3%強増加するという状態が続いていましたが、2月を見ると時間当たり実質賃金の上昇が緩やかになる一方、労働投入量の伸びも低くなっています。一方でフルタイム労働者の雇用、労働投入は増えているので、労働市場全体の需給が緩んだわけではなさそうです。パートタイム労働者の労働投入が減っていると解釈しやすいのですが、2月の動きは微妙です。


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