ヴォーダンさんの誤解

ヴォーダンさんのブログ、「ヴォーダンの独白」は上質なユーモアがあって、読むのが楽しみです。社会問題についてバランスのいいご意見を書かれているので参考にもなります。

が、今回の「公的年金は『ねずみ講』?」(http://wotan.cocolog-nifty.com/blog/2009/02/post-fc8d.html)には、誤解があるように思います。

その1 「これ(賦課方式の公的年金)は、ネズミ講なんだと、、、、、そう思いませんか?」

ネズミ講というのは、加入者がネズミが子を産むようにどんどん増え続けなければ、加入者に支払いを続けられなくなって、最後の加入者は1円も受け取れない詐欺的な仕組みです。

賦課方式の公的年金の場合、加入者の数が増えなくても支払いができなくなることはありません。

単純化した例を示してみましょう。現実の制度はもっと複雑です。しかし、この例でも本質は変わりません。

第一世代が100人いて、年金を100万円受け取るとします。支払総額は、1億円です。

この全額を第二世代が負担するとします。第二世代の数は、第一世代と同じで100人だとします。一人当たり負担額は100万円です。支払った第二世代は、やはり一人当たり100万円支払いを受ける権利を得るとします。

さて、世代が変わり第二世代が支払いを受ける日が来たとします。支払いが必要な額は1億円です。第三世代が、やはり100人だとします。第三世代が一人当たり100万円支払えば、この金額になります。

世代が交代するときに、人数が増えなくてもきちんと年金の支払いを続けることはできます。賦課方式の公的年金は別に詐欺的な仕組みではありません。

その2 「『年金はあなたの老後の資金です。ちゃんと納めましょう』という言い方は、詐欺としか言いようがありません。」

誰かそんなことを言っているのでしょうか?厚生労働省のHPにはこんな解説があります。ここでは、明確に世代間扶養という考え方を打ち出しています。

「公的年金は貯蓄と違い、自分の納めた保険料が利子とともにそのまま自分に返ってくるというものではありません。公的年金は、現役時代の給与の低い人にも一定以上の年金を保障する仕組みとなっており、いわば所得再分配を伴うものとなっています。」http://www.mhlw.go.jp/topics/nenkin/zaisei/01/01-02.html#01-02-02

「今日、公的年金は、基本的には現役世代の保険料負担で高齢者世代を支えるという世代間扶養の考え方で運営されています。これは、1人1人で私的に行っていた老親の扶養・仕送りを、社会全体の仕組みに広げたものです。現役世代が全員でルールに従って保険料を納付し、そのときそのときの高齢者全体を支える仕組みは、私的な扶養の不安定性やそれをめぐる気兼ね・トラブルなどを避けるというメリットがあります。また、現役世代が生み出す富の一定割合をそのときそのときの高齢者世代に再分配するという仕組みをとることにより、*物価スライドによって実質的価値を維持した年金を一生涯にわたって保障するという、安定的な老後の所得保障を可能にしているのです。」http://www.mhlw.go.jp/topics/nenkin/zaisei/01/01-02.html#01-02-03


ヴォーダンさんのおっしゃるとおり、正直に「年金は賦課方式ですから、現役世代が上の世代に送ることになっている。」と説明してあります。

ただし、今、年金保険料を払わないと、将来年金を(半額しか)受け取れないのは事実です。ですから、そのために今きちんと払いましょうと勧めるのは別におかしなことではありません。

年金道あるべきかには様々な考え方があるでしょうし、年金制度の運営にも問題はあるでしょう。しかし、国は詐欺ではないと思います。正直な詐欺師というものがあるなら別ですが。

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