雇用と賃金を考える(2013年10月)

来春の賃上げを考える その6」の応用問題です。

毎月勤労統計の10月分確報(http://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/monthly/25/2510r/dl/pdf2510r.pdf)を見ると、
常用労働者の賃金は前年同月比マイナス傾向です(第1表)。
現金給与総額は、-0.1%
現金給与のうち決まって支給する給与は、-0.3%
決まって支給する給与のうち所定内給与は、-0.7%
決まって支給する給与のうち所定外給与は、+5.9%
現金給与総額のうち特別に支給される給与は、+4.3%です。
所定外給与や特別に支給される給与は、時々の影響を受けやすいので、基調を見る時は、私は所定内給与を見ることにしています。
給与だけ見れば、所定内給与の-0.7%は、いい数字ではありません。

しかし、雇用を合わせてみると印象は変わってきます。
常用雇用は+1.0%です(第3表)。
なお、常用雇用指数は102.6で、10月としては過去最高です。また、季節調整前では2013年7月に並んで過去最高です。労働市場はタイト化しているといっていいでしょう。名目賃金が上昇しやすい環境が整ってきていると思います。

賃金と雇用を合わせて考えると、労働者の受け取っている所定内給与全体は名目で、-0.7%プラス1.0%で0.3%の増加です。いいとも言えませんが、悪いわけでもありません。現金給与総額なら+0.9%です。

これは直接税や社会保険料を除いた可処分所得を表すものではありませんが、これに目をつぶって、所定内給与を消費者物価総合指数で実質化すると-0.8%、持ち家の帰属家賃を除く総合で実質化すると-1.1%になりますし、現金給与総額ならそれぞれ-1%、-1.3%ですから問題ありでしょう。マクロでみた勤労者の消費にはマイナスに働きます。

これをフルタイムとパートタイムに分けると少し違った結果になります。
(続く)

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