「人手不足(?)の原因を見極めよう」 その2

人手不足(?)の原因を見極めよう」で「(人手不足の)原因は、企業が長期にわたり採用を抑制し、人材の育成を怠ってきたことにあります。社説は、この根本的な問題から目を背けているようです。人手不足の原因を見極めているとは言えません。」と書いたのですが、そのいい例が同じ日の日経新聞の「『ミドル欠落』技術継承に影」という記事で書かれています。

JR東日本で「自らが原因の大規模な運行トラブルも頻発している。一般企業では中核を担う40歳代が全社員の1割しかおらず、運転や保守など現場の技術継承が滞りがち。」ということです。

鉄道の運行や保守を行う労働者を外部労働市場で調達することはかなり難しいでしょう。仮にJR東日本が他社から引き抜くと、引き抜かれた会社で、運行や保守上の問題が起こりかねません。自社での採用と育成が基本でしょう。同じ記事で示されているデータによると、幸い、JR東日本の場合30歳代、20歳代はバランスよく採用されているようです。50歳代の比率は高すぎるようですが。あと10年ぐらいすれば中核を担う人材の不足は解消するでしょう。

一般企業では、JR東日本に遅れて採用抑制が行われ、採用数が回復しだしたのは最近です。景気が安定した場合には、しばらくの間、中堅層の不足に悩まされ続けるでしょう。

日本的雇用慣行についてはいろいろ議論がありますが、かなりの職種、産業では安定採用、自社育成以外の道がないと思われます。自社が外部からの調達で人材を賄えるのかどうかをよく考えるべきです。その際、長期的な若年人口の減少により、少し景気が回復すると労働市場の需給がひっ迫しやすくなっていることを念頭に置くべきでしょう。中途採用をするなら、即戦力としてではなく、ある程度の育成が必要であることを覚悟すべきです。

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