毎月勤労統計でみる労働経済の動き(2017年7月確報

確報が発表されましたので、「毎月勤労統計でみる労働経済の動き(2017年7月速報)」を更新します。

常用雇用は合計では2.7%の増加です。3月まで2%台前半の増加が続いていましたが、4月以降2%台後半の増加が定着してきています。このうち一般労働者(フルタイム労働者)は2.7%の増加です。パートタイム労働者は2.6%の増加でした。5月、6月に比べてやや伸び率が低下しています。

繰り返しになるのですが、退職者を上回る採用が行われているから、雇用が増えているのです。人手不足とはいいながら多くの企業では採用に成功しています。労働供給が減っているゆえに人手不足になっているのではありません。

4月、5月、6月は続き人数の上ではパートタイム労働者の増加率がフルタイム労働者のものを上回っていましたが、7月は逆になりました。と言っても0.1ポイントだけですが。

常用雇用の増加率(%)
全体フルタイムパートタイム
16年2月1.91.92.3
3月2.11.92.8
4月2.01.53.3
5月2.01.53.1
6月2.01.62.8
7月2.01.92.4
8月2.22.12.6
9月2.21.73.3
10月2.21.82.8
11月2.22.02.8
12月2.21.92.9
17年1月2.32.32.2
17年2月2.4〔2.4〕2.0〔2.4〕3.2〔2.3〕
17年3月2.4〔2.4〕2.2〔2.6〕2.7〔1.8〕
17年4月2.6〔2.5〕2.6〔2.9〕2.7〔1.8〕
17年5月2.7〔2.6〕2.6〔2.9〕3.3〔2.2〕
17年6月2.6〔2.6〕2.5〔2.6〕2.9〔2.8〕
17年7月2.7〔2.8〕2.7〔2.8〕2.6〔2.4〕


〔 〕は速報。

総実労働時間は、全体では0.4%の減少です。フルタイムが、0.2%、パートタイム労働者は1.4%減少でした。一次収まっていたパートタイム労働者の労働時間の短縮幅がまた大きくなってきています。今年は、前年の7月と平日、土曜日、日曜日の数が全く同じでカレンダー効果は働いていません。

フルタイム労働者の所定外労働時間が1.5%増えています。1月から連続して7カ月間の増加です。雇用が増えている中での残業の増加ですから、採用意欲は高まっていると思われます。さらなる雇用の拡大が期待できます。

総実労働時間の増加率(%)
全体フルタイムパートタイム
16年2月0.40.6△0.5
3月0.71.2△0.2
4月△1.5△1.0△2.4
5月△0.8△0.2△2.1
6月△0.30.2△1.7
7月△2.5△2.5△2.4
8月△0.8△0.3△2.2
9月0.41.1△1.5
10月△0.9△0.5△2.3
11月△0.10.3△1.7
12月△0.20.2△1.6
17年1月△1.1△0.6△2.0
17年2月△0.5〔△0.3〕0.0〔0.1〕△2.2〔△2.0〕
17年3月△1.7〔△1.9〕△1.5〔△1.7〕△3.1〔△3.5〕
17年4月△0.7〔△0.5〕△0.3〔△0.3〕△1.4〔△1.7〕
17年5月1.0〔1.2〕1.7〔1.6〕△0.7〔△1.0〕
17年6月0.1〔0.1〕0.4〔0.3〕△1.0〔△0.9〕
17年7月△0.4〔△0.5〕△0.2〔△0.2〕△1.4〔△1.9〕


近似計算で労働投入の伸びを計算すると、全体では2.3%の増加でした。フルタイムが2.5%、パートタイムでは1.2%の増加でした。16年2月以降、フルタイム化が進んでいます。平均時間当たり賃金の押し上げ要因です。短時間しか働かないパートタイム労働者へのシフトが進んでいますが、5月、6月に比べてパートタイム労働の投入の増加率がやや鈍っています。限界に達したとは言えませんが。

総労働投入の増加率(%)
全体フルタイムパートタイム
16年2月2.32.51.8
3月2.83.12.6
4月0.50.50.9
5月1.21.31.0
6月1.71.81.1
7月△0.5△0.60.0
8月1.41.80.4
9月2.62.81.8
10月1.31.30.5
11月2.12.31.1
12月2.02.11.3
17年1月1.21.70.2
17年2月1.9〔2.1〕2.0〔2.5〕1.0〔0.3〕
17年3月0.7〔0.5〕0.7〔0.9〕△0.4〔△1.7〕
17年4月1.9〔2.0〕2.3〔2.6〕1.3〔0.1〕
17年5月3.7〔3.8〕4.3〔4.5〕2.6〔1.2〕
17年6月2.7〔2.7〕2.9〔2.9〕1.9〔1.7〕
17年7月2.3〔2.3〕2.5〔2.6〕1.2〔0.5〕


現金給与総額は、全体では名目0.6%の減少となりました。CPIの帰属家賃を除く総合が0.6%の上昇でしたが小数点以下の調整があり、、これで実質化した実質賃金は1.1%減少。フルタイム労働者の名目賃金は0.7%の減少、パートタイム労働者のものは逆に0.8%の増加です。フルタイム労働者の所定内給与、所定外給与は増えており、減少となったのは特別に支払われた給与の減少によるものです。一時的な要因です。基調としては小幅な増加が続いていると言えるでしょう。なお、パートタイム労働者の1時間当たり所定内給与は2.5%の増加でした。

新規採用者の賃金は、前からいる労働者のものより低いのが普通です。採用が多いことを考えれば賃金の伸びが低いのは自然でしょう。

名目賃金の増加率(%)
全体フルタイムパートタイム
16年2月0.7(0.3)1.0(0.6)0.8(△0.4)
3月1.5(1.5)0.81.5
4月0.0(0.3)0.5△0.8
5月△0.1(0.4)0.20.0
6月1.4(1.9)1.80.2
7月1.2(1.6)1.6△0.8
8月0.1(0.6)0.5△1.7
9月0.0(0.5)0.5(1.0)△0.1(0.4)
10月0.1(△0.1)0.4△0.2
11月0.5(△0.1)0.7△0.2
12月0.5(0.1)0.90.0
17年1月0.3(△0.1)0.40.0
17年2月0.4(0.0)0.4〔 0.1〕△0.2 〔 0.2〕
17年3月0.0〔△0.4〕0.1〔△0.6〕△1.0〔△1.9〕
17年4月0.5〔 0.5〕0.5〔 0.2〕1.1〔 0.8〕
17年5月0.6〔 0.7〕0.7〔 0.6〕1.4〔 1.0〕
17年6月0.4〔△0.4〕0.4〔△0.5〕1.4〔 1.7〕
17年7月△0.6〔△0.3〕△0.7〔△0.6〕0.8〔 0.5〕


雇用と賃金を掛け合わせて、近似計算で賃金収入の変化を見ると、全体では名目2.1%、実質1.5%の増加でした。名目3%台の4か月連続はなりませんでした。定着を期待していたのですが。フルタイムは2.0%、パートタイムはそれを上回る2.6%の増加です。ここではフルタイム化は進んでいません。

賃金収入の増加率(%)
全体フルタイムパートタイム
2月2.6(2.2)2.9(2.5)3.1(2.7)
3月3.6(3.6)2.74.3
4月2.0(2.3)2.02.5
5月1.9(2.4)1.73.1
6月3.4(3.9)3.43.0
7月3.2(3.6)3.51.6
8月2.3(2.8)2.60.9
9月2.2(2.7)2.23.2
10月2.3(2.1)2.22.6
11月2.7(2.1)2.72.6
12月2.7(2.3)2.82.9
17年1月2.6(2.2)2.72.2
17年2月2.8(2.4)2.4〔2.5〕3.0〔2.1〕
17年3月2.4〔2.0〕2.3〔2.0〕1.7〔△0.1〕
17年4月3.1〔3.0〕3.1〔3.1〕3.8〔2.6〕
17年5月3.3〔3.3〕3.3〔3.5〕4.7〔3.2〕
17年6月3.0〔2.2〕2.9〔2.1〕4.3〔4.5〕
17年7月2.1〔2.5〕2.0〔2.2〕2.6〔2.9〕


人気blogランキングでは「社会科学」の番外でした。今日も↓クリックをお願いします。
人気blogランキング

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 0

この記事へのコメント

この記事へのトラックバック

  • 毎月勤労統計でみる労働経済の動き(2017年8月速報

    Excerpt: 8月分の速報が発表されましたので、「毎月勤労統計でみる労働経済の動き(2017年7月確報」に数字だけ追加します。コメントは7月分確報のままですのでご注意ください。 Weblog: 労働、社会問題 racked: 2017-10-06 09:30