労働市場の需給が労働生産性を決める

 労働生産性と労働市場の需給について少し考えたい。まず、労働生産性を定義しておこう。しばしば、産業や企業などの付加価値額を、常時働く労働者数で割って算出されるが、短時間労働者の数の増加、全労働者に占める割合の上昇を考えると、労働者全員の労働時間の合計で割る方が適切である。労働1時間当たりの付加価値額ということである。労働生産性は、労働を効率よく使って付加価値額を生み出せているかどうかの指標である。
 さて、将来日本の人口が減少し、就業率が上がったとしても労働投入(労働者数×労働時間)減るようになれば、労働生産性を引き上げないと経済成長を実現し、豊かな生活を送ることはできなくなる。日本経済全体を考えた場合には、十分な雇用機会を確保するのと並んで労働生産性の引き上げが課題になることは間違いない。では、日本経済全体の労働生産性を引き上げるためにはどうしたらいいのだろうか。基本的なことを取り上げたい。
  一定の生産量を維持するために必要な資本(サービス)と労働(サービス)の組み合わせは複数あるのが普通である。労働をより多く投入する組み合わせを選ぶと労働生産性は低くなる。労働集約的な技術を用いると、と言い換えてもいいだろう。営利企業はどの組み合わせが最も大きな利益をもたらすかを考えて採用する技術を選ぶ。労働生産性が高くても賃金も高いときには労働1時間当たりの企業の利益は低いということがありえる。営利企業は利益を増やそうと行動するので、必ずしも労働生産性を高めようとはしないのである。企業が常に労働生産性を高めようとすると考えられることがあるが、労働生産性が高いと利益が増えるとは限らないので、この考えは正確ではない。労働と資本の相対価格が、営利企業の技術選択の基本である。賃金が安ければ労働集約的な技術を、高ければ資本集約的な技術を選ぶ。日本経済の労働生産性を高めるためには、労働市場の需給をタイトにし、賃金を引き上げなければならないのだ。この労働市場の需給と労働生産性の密接な関係を忘れてはならない。

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