「続・公的部門のあり方を考える⑦~道州制導入の是非」について

TORIさんが、「続・公的部門のあり方を考える⑦~道州制導入の是非」でこんなことを書かれています。

4)他にも課題は山積
さらに、道州制を導入するに当たって、国と地方の役割のグランドデザインをどうするかという問題の決着がまったくついていません。具体的には…
 ・国と地方(道州)との役割分担をどうするか?
 ・地方(道州)の課税権の裁量をどこまで認めるか?
 ・国から地方(道州)へ財源をどこまで移譲するのか?
 ・地方(道州)の立法権を認めるのか?
 ・現行都道府県職員(警察官なども含めて)の処遇をどうするのか?
といった問題への議論が必要になります。こうした議論が進まないままに道州制導入へ突き進むと、単に都道府県を合併しただけの「形だけの道州制」となります。これでは、地方自治を推進するという道州制本来の目的を満たせる筈もありません。
ひとえに道州制導入と言っても、解決しなければならない課題は山ほどあるのです。


ご指摘はもっともです。全部にはコメントできませんので、私は、「国と地方(道州)との役割分担をどうするか?」についてだけ一言。

基本的には、市町村と国以外に、中間に組織が必要ないのではないかと思っています。明治以来の国-都道府県-市町村という固定概念に縛られているから、道州制などという議論がでてくるのでしょうが、本当に地方自治を二階建て、国も合わせれば三階建てにする必要があるのでしょうか?

明治時代であれば、東京にある中央政府から直接市町村に指示をしたり、役割分担をするのは難しかったでしょう。通信、交通手段も不十分でしたし、市町村は小さく、未熟で行政能力に限界がありましたから。その時代であれば、都道府県ぐらいの広さを単位として出先機関を持つのは効率的だったでしょう。

第二次大戦後、都道府県は国の出先から自治体に変わったのですが、基本的に三段階構造は維持されました。

ただ、明治以来、一貫して進んできたのは、市町村の規模拡大、行政能力の向上でした。そして、特に市の規模拡大と自治能力の充実が顕著です。このため政令指定都市制度が作られ、都道府県並の権限を与えてきました。その権限はどこから来たかと言えば都道府県からです。現在、政令指定都市について言えば、殆ど国と直結し、二層構造に変わっています。政令指定都市の区域内で都道府県の持っている権限はわずかなものです。(にもかかわらず、政令指定都市から大勢の都道府県会議員が選ばれています。政令指定都市を都道府県から完全に独立させれば、この議員は必要なくなります。)

都道府県政令指定都市人口都道府県人口割合(%)
北海道18856333
宮城10323643
埼玉11870517
千葉9260615
神奈川49187956
新潟7924332
静岡15137940
愛知22272531
京都14826556
大阪34688239
兵庫15355927
広島11628840
福岡23950547
東京以外2,442115,18621


東京都は23区が特殊なので除くと、人口の21%がすでに実質的に2階建てになっています。

この割合はさらに上がるはずです。というのは、政令指定年になりたいと考えている市はまだあり、それが指定されていくでしょう。また、政令指定都市が周辺の市町村を合併していっています。さらにこれらの都市は人口が増えている市が多いのです。

現在、政令指定都市の人口の割合が半数を超えているのは京都府と神奈川県です。京都市には56%が住んでいます。神奈川県には、横浜、川崎と、すでに二つの政令指定都市があり、すでに県人口の56%が政令指定都市に住んでいます。さらに相模原市が政令指定都市を目指しているようです。相模原市が単独で指定されるただけで、政令指定都市人口の割合は63%になります。こうなると県の意味が分からなくなってきます。

(注)神奈川県以外では、静岡県(静岡市、浜松市)、大阪府(大阪市、堺市)、福岡県(福岡市、北九州市)が二つの政令指定都市を抱えています。

おそらく、東京に隣接する埼玉、千葉の都市群は、将来合併して政令指定都市になると思います。埼玉都民、千葉都民といわれているように、県の求心力はないのですから。

こんな状況の中で、敢えて道や州が必要なのでしょうか?交通も通信も発達し、東京都の連絡は簡単になってきています。

行政、財政の効率から言えば、政令指定都市は国直結、その他の市町村は都道府県の中に置き、独り立ちできなくなったところは、場合により都道府県が直轄する(東京都の23区のように)というのがベストではないかと思います。

さらに言えば、道州は自治体としては広すぎ、人口も多過ぎ、一体感が得られない気がします。

仮に国から移管すべき権限があるとして、それは政令指定都市や都道府県に移管できないかをまず考えるべきでしょう。

自治の基礎である市町村が充実してきたのですから、それでいいのではないかと思います。

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