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zoom RSS 「医療」もどんどん変わる

<<   作成日時 : 2012/05/01 17:53   >>

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厚生労働省の人口動態統計で、22年に生まれた赤ちゃんの体重を見ると、出生が1,071,304人、このうち2,500g未満の低体重児は103,049人で、全体の9.6%になっています。

低体重児の割合が、どう変化してきたか、男の子の場合は、こんなことになっています。

1955年 6.5%
1960年 6.5%
ここから減り始めます。これは、単純に、高度成長が始まって、栄養状態がよくなったからではないかと思います。
1970年 5.2%
1975年 4.7%
1980年 4.8%
このあたりから再び増え始めます。これが、小さく生んで大きく育てるという指導の結果なのでしょうか?
1985年 5.0%
1990年 5.7%
1995年 6.7%
2000年 7.8%
2005年 8.5%
そして
2010年 8.5%
と横ばいになります。


で、なぜ、低体重児の割合が変化しているのか?自然現象とは考えにくいでしょう。産科の指導というのももちろん影響しているはずです。でもそれなら、最近になって低体重児の割合は下がっていいはずです。方針が変わったのですから。にもかかわらず減らないので、シーラカンスさんが「「基準」はどんどん変わる」で書かれているように、
マスメディアでは低体重児増加の原因を
母親の「おしゃれしたいから」
「太りたくないから」などという
利己心、虚栄心からであるかのように誤解して
「妊婦がやせようとしすぎ」という
非難を浴びせるような新聞記事などまで出る始末
、ということになるのでしょう。

この議論は分かりやすいし、非難すべき相手も簡単に見つけられるし、今の医学の知識からは間違っているわけではないので人のためにもなるし、とりわけ弱い立場の赤ちゃんのためにもなるし、ということで書きやすいのでしょう。

でも、もう少し考えてみたいと思います。

そもそも、低体重になるかどうかはなんで決まっているのでしょう。
一つは、男の赤ちゃんと女の赤ちゃんの差で、2,500g未満の割合は22年でも男は8.5%ですが、女は10.8%です。

二つ目は、単産か複産かです。複産というのは双子以上の出産で、死産の場合も含みます。22年では単産の赤ちゃんのうち低体重児は8.4%(男7.4%、女9.5%)ですが、複産の場合、なんと73.7%(男69.3%、女78.4%)です。丸丸と太った赤ちゃんを二人、おなかの中で育てるのは、かなり無理なのでこういう結果になります。

三つ目は、お母さんの年齢です。単産の男の子の場合、お母さんの年齢が25歳から29歳だと、低体重児の割合が最も低く、6.8%です。20歳から24歳だと7%、30歳から34歳だと7.1%です。もっと若く19歳以下だと9.2%で、かなり若い出産が含まれ、お母さんの体がまだ出来上がっていないのかもしれません。35歳から39歳だと、8.1%、40歳から44歳だと二けたになって10.5%、45歳から49歳だと15.7%になります。

四つ目は、早産に対する対応ができるようになって、低体重児が増えるということです。1955年には1,500g未満で、生きて生まれたこの割合は0.2%でしたが、2010年は0.8%です。0.6%上がっています。上で書いたように1955年の低体重児割合は6.5%、2010年は8.5%、その差は2%ですが、そのうち0.6%は医療が進歩して、早産に対応できるようになったためだと思われます。早産でも1,500g以上の赤ちゃんはいるでしょうから、この効果はもっと大きいかもしれません。

では、最近の複産の動きを見るとどうなっているか?分娩のうち複産の割合を見るとこうなっています。
1995年 0.90%
2000年 1.02%
2001年 1.02%
2002年 1.10%
2003年 1.14%
2004年 1.17%
2005年 1.18%
2006年 1.16%
2007年 1.14%
2008年 1.06%
2009年 1.01%
2010年 0.97%

いかにも不自然な動きです。これはおそらく、こういうことではないかと思います。

不妊治療が盛んになり、排卵誘発剤が使われる。すると、卵子が数多く出て来て、複産が増える。
この治療は、保険の対象ではないので、自由に価格が付けられますし、決まった時間にスケジュールを組んでできます。夜勤や休日出勤などはしなくていい。失敗の可能性があることをはっきりさせておけば、訴訟リスクもほとんどない。不妊治療は、増えていきます。

分娩になると、産科医の担当です。出産は、もともと、大変です。夜や休日にも対応しなければならないこともある。複産だと、問題が発生するリスクは高いですし、不妊治療までしてやっと授かった子に何かあると、訴訟になるリスクも高まります。複産は、保険の対象になりますので、決まった報酬しかもらえない。

不妊治療をする側に対して、産科の側からの不満が高まります。そして「減数」が行われるようになり、複産がへってきた。

さまざまな要因が絡んでいます。ただ、最近は低体重児の割合が横ばいです。(今のところ)正しい(とされている)知識が若い女性に広がってきているのではないかと思います。今後は、上手に対応していくのではないでしょうか?

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コメント(1件)

内 容 ニックネーム/日時
お久しぶりでございます。ご無沙汰ばっかりですみません。そしてご挨拶遅れてすみません〜〜

医療や育児の基準ってどんどん変わっていきますね。医療レベルもおっしゃる通りどんどん変わっていっていると思います。体重が500グラムの赤ちゃん(超早産)でもちゃんと無事に育つ可能性がある時代になりました。それも低体重児の増える理由になっているのでしょうね。500グラムというと、大きさで言うと市販の小さなキューピー人形ぐらいのサイズだそうです。無事に育つと本当にほっとする、とNICUの人が言っていました。

妊婦さんや若いお母さんは、育児や体質管理、子どものこととなるとどうも自分自身を責めすぎるきらいがありますし、マスコミのほうもどうもお母さん一人を責める傾向がある気がします。また、育児中のお母さんはいちいち反論したり反応したりしているヒマすらもないので、議論はそのまんまになってしまいがちですね。出来るだけ正確な情報を、育児者にもそれ以外にも行き渡るようになるといいなと思っておりますです。
シーラカンス
2012/06/03 13:03

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