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zoom RSS 繰越損失の仕組み

<<   作成日時 : 2014/01/09 11:45   >>

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銀行の税金 25年度中間決算」で取り上げた繰り延べ税金資産と並んで法人税額に不規則な影響を与える繰越損失について検討してみたいと思います。なお。繰り延べ税金資産については「銀行の税金 その1」をご覧ください。

今回は、基礎として法人税と繰越損失の仕組みを考えてみます。

そもそも論ですが、法人税は何に基づいて課せられるのかというと、法人ごとに決まっている事業年度の所得に対してです。所得というのは、単純に言えば利益です。法人税法の規定は次の通りです。

(各事業年度の所得に対する法人税の課税標準)
第二十一条  内国法人に対して課する各事業年度の所得に対する法人税の課税標準は、各事業年度の所得の金額とする。

では、所得とは何かというと益金から損金を差し引いたものということになります。
単純化していえば、収入が益金、その収入を得るために支出した費用が損金です。
規定は次の通りです。

(各事業年度の所得の金額の計算)
第二十二条  内国法人の各事業年度の所得の金額は、当該事業年度の益金の額から当該事業年度の損金の額を控除した金額とする。
2  内国法人の各事業年度の所得の金額の計算上当該事業年度の益金の額に算入すべき金額は、別段の定めがあるものを除き、資産の販売、有償又は無償による資産の譲渡又は役務の提供、無償による資産の譲受けその他の取引で資本等取引以外のものに係る当該事業年度の収益の額とする。
3  内国法人の各事業年度の所得の金額の計算上当該事業年度の損金の額に算入すべき金額は、別段の定めがあるものを除き、次に掲げる額とする。
一  当該事業年度の収益に係る売上原価、完成工事原価その他これらに準ずる原価の額
二  前号に掲げるもののほか、当該事業年度の販売費、一般管理費その他の費用(償却費以外の費用で当該事業年度終了の日までに債務の確定しないものを除く。)の額
三  当該事業年度の損失の額で資本等取引以外の取引に係るもの
4  第二項に規定する当該事業年度の収益の額及び前項各号に掲げる額は、一般に公正妥当と認められる会計処理の基準に従つて計算されるものとする。

法人税額はこの所得に法人税率をかけて求めます。法人税率は原則としては25.5%です。
規定は次の通りです。

(各事業年度の所得に対する法人税の税率)
第六十六条  内国法人である普通法人、一般社団法人等(別表第二に掲げる一般社団法人及び一般財団法人並びに公益社団法人及び公益財団法人をいう。次項及び第三項において同じ。)又は人格のない社団等に対して課する各事業年度の所得に対する法人税の額は、各事業年度の所得の金額に百分の二十五・五の税率を乗じて計算した金額とする。

基本的には、単純な仕組みなのです。したがって、景気がよくなって企業の利益が増えれば法人税収も増えるはずです。そして、さらに単純化して、資本の分配率が一定などと仮定すると、GDPが増えれば企業の利益は増えることになります。ゆえに、GDPが増えれば法人税収は増えることになります。そして、まず、GDPが1%増えると、法人税収が○%増えるかを、過去のデータから計算しておいて、そのうえでGDPが何%増えるかを予測し、それに基づいて法人税収の見込みを立てるといったことが行われるわけです。

しかし、基本は単純でも、いろいろ特例があります。その結果税収の見通しは難しくなります。私が、現時点で一番影響を与えているのは繰越損失の取り扱いだろうと思っています。

繰越損失の効果を、私なりに解釈すると、ある一定期間の所得が同じ法人がその期間に払う法人税が同じになるようにするということになります。例を作ってみましょう。

法人Aは、1年目の所得が100、二年目も100、合計200とします。基本的な仕組みに従えば、この法人が支払うべき法人税は1年目が25.5、2年目も25.5、合計51です。

法人Bは業績の浮き沈みが激しく、1年目の所得が−200、二年目は400とします。合計では200で、法人Aと同じです。法人税を考えると、1年目は所得がないので0、(マイナス所得に25.5%をかけて国がくれるわけではありません。)、2年目は101です。合計すると102です。この期間の所得が同じであった法人Aの2倍の法人税を支払わなければなりません。

ちょっと不合理です。リスクの高い業種ほど重い税金を払うことになりますから。そこで、繰越損失という仕組みが出てきます。この例でいうと、法人Bの2年目の所得を計算するとき、1年目の損失を2年目の費用として認めることなするのです。すると2年目の所得は400−200=200となります。こうすると2年目に払う税金は51になります。2年を通してみると、同じ所得のある二つの法人の税金は同じ額になります。その意味では合理的な仕組みです。1年目から2年目に繰り越された損失を通常、繰越損失といいます。法人税法では欠損金という表現です。

法人税法の規定は次の通りです。

(青色申告書を提出した事業年度の欠損金の繰越し)
第五十七条  内国法人の各事業年度開始の日前九年以内に開始した事業年度において生じた欠損金額(この項の規定により当該各事業年度前の事業年度の所得の金額の計算上損金の額に算入されたもの及び第八十条(欠損金の繰戻しによる還付)の規定により還付を受けるべき金額の計算の基礎となつたものを除く。)がある場合には、当該欠損金額に相当する金額は、当該各事業年度の所得の金額の計算上、損金の額に算入する。ただし、当該欠損金額に相当する金額が当該欠損金額につき本文の規定を適用せず、かつ、第五十九条第二項(会社更生等による債務免除等があつた場合の欠損金の損金算入)(同項第三号に掲げる場合に該当する場合を除く。)、同条第三項及び第六十二条の五第五項(現物分配による資産の譲渡)の規定を適用しないものとして計算した場合における当該各事業年度の所得の金額の百分の八十に相当する金額(当該欠損金額の生じた事業年度前の事業年度において生じた欠損金額に相当する金額で本文又は第五十八条第一項(青色申告書を提出しなかつた事業年度の災害による損失金の繰越し)の規定により当該各事業年度の所得の金額の計算上損金の額に算入されるものがある場合には、当該損金の額に算入される金額を控除した金額)を超える場合は、その超える部分の金額については、この限りでない。

(続く)

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