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zoom RSS 季節調整値で判断するのは危険。今回は。

<<   作成日時 : 2014/08/14 12:19   >>

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4半期GDPの一次速報が話題になっています。季節調整済み前期比年率−6.8%をどう見るかいろいろ議論はあるでしょう。

しかし、4月に消費税が導入された事を考えに入れると、今回は季節調整値で判断するべきではないと思います。1−3月期の季節調整値も4−6月期の季節調整値も当てにならないからです。7−9月期の季節調整値が出ても4−6月期と比較し、そこから年率の成長率を計算して、どうこういうのも危険でしょう。

実は、統計の作成者である内閣府の社会経済研究所の国民経済計算部は、婉曲な形で次のような警告を与えています。分かり易く、思いっきり意訳すると、これから季節調整値を大きく変更するかもしれませんよ。注意してね。今、警告は出したから後で文句は言わないでね。と言っているのです。

http://www.esri.cao.go.jp/jp/sna/data/reference1/siryou/2014/pdf/announce20140729.pdf
http://www.esri.cao.go.jp/jp/sna/data/reference1/siryou/2014/pdf/announce20140425.pdf

季節調整値についてざっとした話をしておきましょう。詳しく割り出すときりがない、とてもテクニカルな話なので詳しい説明をする自信がありません。ざっとした話であることで許していただきたい。

経済の変動は、本当の変動+規則的な季節変動+ショックに伴う異常な変動からなると考えましょう。

季節変動はわかりやすい。夏には冷房のために、冬には暖房のために電力がよくつかわれ、春、秋はそれほどでもないといった変化です。こういった変動のデータが蓄積されていると、例えば春に比べて夏に電力の使用量が増えても、それが過去の例からみて普通の季節的な変化であると分かれば、基調には変わりはないといった判断ができます。また、普通の季節変動を超えた変化であれば、基調として上向きであるといった判断ができます。景気の判断に必要なのは、生の数字の変動ではなく、季節変動を取り除いた本当の変動です。そのために季節調整を行っているのです。

今回の問題は、消費税率の引き上げという異常な変動が発生していることであり、大問題は税率引き上げにより基調が変わっているかもしれないことです。経済運営、分析をする人間にとって本当に知りたいのは、経済の本当の動きが変わっているかどうかです。これを知るためには、季節的な変動の効果を取り除くだけではなく、異常な変動の効果も取り除かなければなりません。できるのでしょうか?

考えてみましょう。話を簡単にするために季節変動はないとします。
第一期には異常な変動がなく、経済水準が100だったとします。本当の経済水準は100だと考えていいでしょう
第二期には異常な変動があったことは分かっているが、その大きさはわからないとします。分かっていれば苦労はありません。第二期の水準=第二期の本来の水準+第二期の異常な変動分となります。第二期の水準が130だと分かっていてもその内訳は分かりません。第二期の異常な変動分を知るためには、第二期の本来水準が分からなければならないのです。どうすればいいでしょうか?

異常な変動のない第三期のデータが入手でき、110だったとしましょう。経済の基調に変化がなかったと考えれば、そして経済の本当の水準は緩やかに、連続的にしか変わらないとすれば、第1期は100だったのだから、第二期は105になっていたと考えることができる。100、105、110と増えたと考えるのだ。すると、第二期の異常な変動は130−105=25となり、これを引くと第二期の本来的な水準は、当たり前だが105と計算できる。

しかし、まだ第三期のデータがないときはどうしたらいいでしょうか?とりあえず、第ゼロ期の数字を参考にするほかありません。ゼロ期は第二期の隣ではなく、離れているのであまり使いたくはないがやむを得ません。100だったとしましょう。すると、第ゼロ期は100、第一期も100と続いていたのだから、第二期の本来水準も100だったろうと考えるしかありません。現在の季節調整値はこの段階のものなのです。

すると、第二期に近い第三期のデータが出たところで、第二期の本来の水準の推定値は変更されることになります。つまり、昨日発表された季節調整値は変更されることになるのです。予告通り。

これだけでも、季節調整値での判断に問題のあることは分かっていただけると思います。でも、問題はこれだけではありません。外部からのショックは一過性の異常な変動をもたらすだけとは限りません。それ以後の経済が以前とは違った姿になる可能性があります。、経済の本当の水準が緩やかに、連続的にしか変わらなのではなく、大きな断絶が発生する可能性があるのです。この場合、過去のデータからの推定はできません。ショックがあった期以降のデータだけを使って推定することになります。第三期が110、第四期も110だったら、第二期も110だったと考えるのです。

では、本乙に断絶があったのかどうかはどうやって確認すればいいのでしょう。ショック前の第ゼロ期、第一期の数字とショック後の第三期、第四期のデータを見比べて考えるほかありません。

結局、ショックがあったときに、その期だでデータだけから季節調整をして本来の水準を推測するのは無理だということです。

どうしても7−9月のGDPで消費税引き上げの判断をしなければならないなら、季節調整前の数字で対前年同期比を計算して考えるべきでしょう。間違っても、季節調整値の対前期比から年率換算の成長率を計算し、それを使って判断したりしないことです。

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