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zoom RSS 毎月勤労統計でみる労働経済の動き(2016年3月)

<<   作成日時 : 2016/05/20 11:25   >>

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3月分の確報が発表されました。

常用雇用は、全体では対前年同月比2.1%の増加です。15年1月以降、1.9%から2.3%の狭い幅の中で増加が続いており、2%程度が巡航速度になった感がありますが、中身が変わりつつあります。3月の内訳をみるとフルタイム労働者(一般労働者)の増加率が1.9%であり、パートタイム労働者の増加率は2.8%となっています。15年3月には、それぞれ0.6%、4.6%でした。このところ、フルタイム労働者の雇用の増加率が高くなり、パートタイム労働者のものが低くなってきています。

毎月勤労統計でみる労働経済の動き(2015年12月)」で「いったいどこまで増えるのでしょうか?供給余力がどれだけあるのか、見当がつきません。」と書きましたが、2月、3月2か月連続で、2%台です。パートタイム労働の供給は限界に達しつつあるのでしょうか?季節調整値の前月比の動きも注目ですので、別に分析をしたいと考えています。

常用雇用の増加率(%)
全体フルタイムパートタイム
14年12月1.71.22.8
15年1月2.01.13.9
2月2.10.84.9
3月1.90.64.6
4月2.01.33.8
5月2.01.43.5
6月2.11.14.4
7月2.00.94.7
8月2.00.94.7
9月2.01.33.9
10月2.21.34.5
11月1.61.14.5
12月2.32.44.4
16年1月2.11.43.6
2月1.91.92.3
3月2.11.92.8


総実労働時間は、常用労働者全体では0.7%の増加です。就業形態別にみると、フルタイム労働者が1.2%と高い増加率です。1%を超えたのは15年4月以来のことです。伸びたのは所定内労働時間で伸び率は1.5%です。パートタイム労働者は0.2%減少しています。パートタイム労働者の短縮傾向には変化がありません。

総実労働時間の増加率(%)
全体フルタイムパートタイム
14年12月△1.1△0.7△1.7
15年1月0.00.4△1.0
2月△0.20.5△0.5
3月1.52.3△0.3
4月1.21.5△0.2
5月△2.7△2.9△1.8
6月△0.10.4△1.2
7月△0.30.4△1.1
8月0.30.7△0.2
9月△0.9△0.6△1.3
10月△2.7△2.6△1.4
11月0.00.6△1.5
12月△0.20.2△1.0
16年1月△0.9△0.4△0.3
2月0.40.6△0.5
3月0.71.2△0.2


常用雇用の増加率と総実労働時間の増加率を足して(近似値になります。)、労働投入を考えますと、2.8%の増加です。2月に引き続き、3月もフルタイム労働者の伸び率がパートタイム労働者の伸び率を上回りました。労働者数はともかく投入で見るとフルタイム化が始まっているように見えます。

総労働投入の増加率(%)>
全体フルタイムパートタイム
14年4月0.70.42.9
5月0.60.32.3
6月2.02.02.7
7月2.42.12.8
8月0.1△0.20.5
9月2.21.92.7
10月2.12.21.4
11月△1.1△1.6△0.8
12月0.60.51.1
15年1月2.01.52.9
2月1.91.34.4
3月3.42.94.6
4月3.22.83.6
5月△0.7△1.51.7
6月2.01.53.2
7月1.71.33.6
8月2.31.64.5
9月1.10.72.6
10月△0.5△1.33.1
11月2.01.73.0
12月2.11.63.4
16年1月1.21.03.3
2月2.32.51.8
3月2.83.12.6


これに対して名目で見た一人当たりの平均賃金の動きです。現金給与総額は、常用労働者全体では1.5%と高い伸び率になりました。1%にのったのは14年12月以来のことです。フルタイム労働者は、0.8%の増加に留まっている一方で、パートタイム労働者は1.5%の増加です。フルタイム労働者割合の低下幅が小さくなってきたこととパートタイム労働者の賃金上昇が平均賃金を押し上げています。

しかし、パートタイムの所定内給与は1.4%の増加、所定内労働時間は0.2%の短縮ですから、1時間当たりの所定内給与では1.6%の上昇です。

名目賃金の増加率(%)
全体フルタイムパートタイム
14年12月1.31.8△0.4
15年1月0.60.90.3
2月0.10.60.8
3月0.00.60.6
4月0.70.91.3
5月0.71.1△0.6
6月△2.5△2.2△0.5
7月0.9(0.5)1.3(1.0)0.7(0.4)
8月0.4(0.2)0.7(0.4)1.7(1.4)
9月0.4(0.3)0.6(0.5)0.4(0.3)
10月0.7(0.4)1.1(0.8)0.1(△0.2)
11月0.1(0.3)0.7(0.3)△1.1(△1.5)
12月0.0(△0.2)0.4(0.2)0.5(0.3)
16年1月0.0(0.0)0.5(0.5)△0.3(△0.3)
2月0.7(0.3)1.0(0.6)0.8(△0.4)
3月1.5(1.5)0.81.5


(  )内は消費者物価指数の帰属家賃を除く総合で実質化したもの。3月の指数は0.0%の上昇でした。4月は0.3%の低下です。

賃金収入を試算してみると(やはり近似計算です。)全体は名目では3.6%と大幅な増加です。フルタイム労働者は2.7%の増加、パートタイム労働者は4.3%の増加です。帰属家賃を除く総合の消費者物価指数は0.0%の上昇でしたので、名目と実質の差はありません。これが、消費にいつつながるかが景気の先行きを見る上での注目点です。

雇用者所得の増加率(%)
全体フルタイムパートタイム
14年5月2.01.73.9
6月2.52.53.5
7月4.14.14.0
8月2.62.61.8
9月2.42.23.4
10月1.81.63.0
11月1.71.81.7
12月3.03.02.4
15年1月2.62.04.2
2月2.21.45.7
3月1.9(△0.8)1.25.2
4月2.7( 1.9)2.25.1
5月2.7( 2.0)2.52.9
6月△0.4(△0.9)△1.13.9
7月2.9(2.6)2.25.4
8月2.4(2.1)1.66.4
9月2.4(2.3)1.94.3
10月2.9(2.6)2.44.6
11月2.1(1.7)1.6(1.2)4.6(4.2)
12月2.3(2.1)1.8(1.6)4.9(4.7)
16年1月2.1(2.1)1.9(1.9)3.3(3.3)
2月2.6(2.2)2.9(2.5)3.1(2.7)
3月3.6(3.6)2.74.3


毎月勤労統計でみる労働経済の動き(2015年9月)」でも書きましたが、基本的には雇用が増加し、労働力の需給はタイト化してきていて、改善基調に変化はないというのが私の判断です。最近不調を伝えられている消費も安定した伸びに復帰するだろうと考えています。


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