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zoom RSS 毎月勤労統計でみる労働経済の動き(2016年7月)

<<   作成日時 : 2016/09/23 09:55   >>

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毎月勤労統計でみる労働経済の動き(2016年6月)」の続きです。

毎月勤労統計の7月分確報が発表されました。

常用雇用は、全体では5月、6月と同じく対前年同月比2.0%の増加です。「毎月勤労統計でみる労働経済の動き(2016年5月)」で書きました通り、「15年1月以降、1.9%から2.3%の狭い幅の中で増加が続いており、2%程度が巡航速度になった感がありますが、中身が変わりつつあります。」

7月の内訳をみるとフルタイム労働者(一般労働者)の増加率が1.9%と前月をやや上回り、パートタイム労働者の増加率は2.4%と前月より低くなっています。これは6月と全く同じ動きで、4月、5月はパートタイム労働者の増加率がやや高くなっていたのですが、「毎月勤労統計でみる労働経済の動き(2016年3月)」で書いた「フルタイム労働者の雇用の増加率が高くなり、パートタイム労働者のものが低くなって」いるという経路に戻ったとみていいでしょう。

常用雇用の増加率(%)
全体フルタイムパートタイム
15年2月2.10.84.9
3月1.90.64.6
4月2.01.33.8
5月2.01.43.5
6月2.11.14.4
7月2.00.94.7
8月2.00.94.7
9月2.01.33.9
10月2.21.34.5
11月1.61.14.5
12月2.32.44.4
16年1月2.11.43.6
2月1.91.92.3
3月2.11.92.8
4月2.01.53.3
5月2.01.53.1
6月2.01.62.8
7月2.01.92.4


総実労働時間は、常用労働者全体では2.5%の減少です。就業形態別にみると、フルタイム労働者が2.5%の減少、パートタイム労働者も2.4%減少しました。2016年の7月は2015年の7月に比べて土曜日、日曜日が1日ずつ増え、平日が2日減ったのがフルタイム労働者の総実労働時間の減少につながったとみていいでしょう。2015年の10月にも似た現象が起こっています。フルタイム労働者の労働時間は急には変わりません。パートタイム労働者については、4月以降の傾向が続いているようです。

総実労働時間の増加率(%)
全体フルタイムパートタイム
15年2月△0.20.5△0.5
3月1.52.3△0.3
4月1.21.5△0.2
5月△2.7△2.9△1.8
6月△0.10.4△1.2
7月△0.30.4△1.1
8月0.30.7△0.2
9月△0.9△0.6△1.3
10月△2.7△2.6△1.4
11月0.00.6△1.5
12月△0.20.2△1.0
16年1月△0.9△0.4△0.3
2月0.40.6△0.5
3月0.71.2△0.2
4月△1.5△1.0△2.4
5月△0.8△0.2△2.1
6月△0.30.2△1.7
7月△2.5△2.5△2.4


常用雇用の増加率と総実労働時間の増加率を足して(近似値になります。)、労働投入を考えますと、0.5%の減少です。フルタイム労働者が0.6%減ったことの影響です。パートタイム労働者の労働投入量は横ばいです。パートタイム労働者数が増えているのは採用基準を引き下げ短時間しか働かないものを大量に採用しているのでしょう。

毎月勤労統計でみる労働経済の動き(2016年5月)」で、「2月以降(4月を除く)労働者の数からいえばパートタイム労働者の割合は高まっているのに、労働投入では逆にフルタイム労働の割合が高まるという傾向がみられます。労働投入のフルタイム化という傾向が定着するか注目です。」と書きましたが、7月はフルタイムのほうが伸び率が低くなっています。カレンダーの関係でしょう。

総労働投入の増加率(%)
全体フルタイムパートタイム
15年2月1.91.34.4
3月3.42.94.6
4月3.22.83.6
5月△0.7△1.51.7
6月2.01.53.2
7月1.71.33.6
8月2.31.64.5
9月1.10.72.6
10月△0.5△1.33.1
11月2.01.73.0
12月2.11.63.4
16年1月1.21.03.3
2月2.32.51.8
3月2.83.12.6
4月0.50.50.9
5月1.21.31.0
6月1.71.81.1
7月△0.5△0.60.0


これに対して名目で見た一人当たりの平均賃金の動きです。現金給与総額は、6月は常用労働者全体では1.4%の伸びでしたが、7月は1.2%の増加です。フルタイム労働者は、1.6%増加しましたが、パートタイム労働者は0.8%減少しました。フルタイム労働者の増加は、特別に支払われた給与が3.8%増加した影響が大です。6月も4%増加していましたので、今年の夏のボーナスは前年を上回ったと思われます。
パートタイムの所定内給与は1.3%の減少ですが、所定内労働時間は2.5%も減少しています。1時間当たりの所定内給与では名目では1.2%、実質では1.6%の上昇です。これで労働投入が横ばいないのです。これは需要が増え、それと同じぐらい供給が減ったときに生じる現象です。パートタイム労働市場のタイト化がさらに進んでいのです。

名目賃金の増加率(%)
全体フルタイムパートタイム
15年2月0.10.60.8
3月0.00.60.6
4月0.70.91.3
5月0.71.1△0.6
6月△2.5△2.2△0.5
7月0.9(0.5)1.3(1.0)0.7(0.4)
8月0.4(0.2)0.7(0.4)1.7(1.4)
9月0.4(0.3)0.6(0.5)0.4(0.3)
10月0.7(0.4)1.1(0.8)0.1(△0.2)
11月0.1(0.3)0.7(0.3)△1.1(△1.5)
12月0.0(△0.2)0.4(0.2)0.5(0.3)
16年1月0.0(0.0)0.5(0.5)△0.3(△0.3)
2月0.7(0.3)1.0(0.6)0.8(△0.4)
3月1.5(1.5)0.81.5
4月0.0(0.3)0.5△0.8
5月△0.1(0.4)0.20.0
6月1.4(1.9)1.80.2
7月1.2(1.6)1.6△0.8


(  )内は消費者物価指数の帰属家賃を除く総合で実質化したもの。7月は0.4%の低下です。

賃金収入を試算してみると(やはり近似計算です。)全体は名目では3.2%、実質では3.6%の大幅な増加です。4月、5月の低迷を脱した感があります。フルタイム労働者は3.5%の増加、パートタイム労働者は1.6%の増加です。帰属家賃を除く総合の消費者物価指数は7月は0.4%の低下でした。

雇用者所得の増加率(%)
全体フルタイムパートタイム
15年2月2.21.45.7
3月1.9(△0.8)1.25.2
4月2.7( 1.9)2.25.1
5月2.7( 2.0)2.52.9
6月△0.4(△0.9)△1.13.9
7月2.9(2.6)2.25.4
8月2.4(2.1)1.66.4
9月2.4(2.3)1.94.3
10月2.9(2.6)2.44.6
11月2.1(1.7)1.6(1.2)4.6(4.2)
12月2.3(2.1)1.8(1.6)4.9(4.7)
16年1月2.1(2.1)1.9(1.9)3.3(3.3)
2月2.6(2.2)2.9(2.5)3.1(2.7)
3月3.6(3.6)2.74.3
4月2.0(2.3)2.02.5
5月1.9(2.4)1.73.1
6月3.4(3.9)3.43.0
7月3.2(3.6)3.51.6


毎月勤労統計でみる労働経済の動き(2015年9月)」でも書きましたが、基本的には雇用が増加し、労働力の需給はタイト化してきていて、改善基調に変化はないというのが私の判断です。パート労働者の1時間当たり所定内給与が上昇しても労働投入が増えないという局面が来るのかが注目です。

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