労働、社会問題

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zoom RSS hamachanさんのコメントに対するお返事

<<   作成日時 : 2005/12/24 00:36   >>

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雇用保護 その7」での私の提案についてhamachanさんからコメントをいただきました。

コメントをいただいて、提案に少し説明を加える必要があることが分かりました。

まず、私は、何らかの立法を行うことは考えていません。現行法の下で、企業と労働者が契約を結ぶことを想定しています。

また、企業は、有期契約と同様、やむを得ない理由がない限り、定められた期間の他は労働者を解雇できないという契約を考えています。

1 企業は、契約の開始から12ヶ月後に、労働者を解雇できる。
2 解雇しなかったとき、さらに12ヶ月経った時点でも解雇できる。
3 解雇するときは30日前に通知する。通知しなかったときは、企業はやむを得ない理由がない限り次の12ヶ月間は労働者を解雇できない。
4 解雇するときは、一定の金額を支払う(賃金の○ヶ月分という決め方でもいいでしょう。)。(退職金とは別です。)
5 この金額は、勤続年数が変わっても変わらない。

さて、契約自由の原則に立てば、このような契約は公序良俗に反しない限り有効であるはずです。ここからは、この契約が公序良俗に反さず有効であることを前提とします。

問題は、この契約に基づいて実際に解雇を行ったとき、「解雇権乱用」とされるかどうかです。hamachanさんご指摘の通り、どのような権利であっても(あるいはあるからこそ)、その権利の乱用という問題は起こります。従って、乱用かどうかの判断を裁判所に求めることはできますし、裁判でで判断が示されます。

つまり、解雇に客観的な合理的な理由があるか、社会通念上相当と認められるかどうかが問われることになります。

また、その特殊な例として整理解雇の四条件、あるいは最近では四要素というものの検討が必要になります。

その判断が行われる際に、予め合意が存在している場合と合意がない場合では、判断を変えるべきだと、私は考えています。バランスの取れた契約があるなら、それを裁判所は尊重すべきであると思うのです。多分するのではないでしょうか。さもなければ、労使の間で自主的に解雇の秩序を作ることができないからです。バランスのとが取れているかどうかは、個々の契約毎に判断すべきでしょう。その時には解雇の際に支払う一時金の額が大きな要素となるでしょう。

なお、このような契約があり、特に一時金が高場合、解雇された労働者自身が納得し、争いが生じなくなる可能性が高いと考えています。

そして、これが認められれば、現在起こっているような、整理解雇の類推を避けようとするために、わざわざ雇い止めを行うという不合理な対応の必要はなくなります。

また、本来、無期契約でいいものを有期契約にするという不自然さも解消されます。実際、有期契約を結んでいる企業の多くは、本来の「やむを得ない理由がない限り労働者が退職できない。」という効果を求めているのではないと思います。また、「雇用期間満了により労働契約を終了させたい」とも思っていません。もしそうなら、反復して契約することはあり得ないはずです。結局、企業は一定期間毎に比較的自由に雇用関係を終了させることができるという選択肢が欲しいだけなのです。それなら、「適切な代償を払うことを条件にその選択肢を認める契約を作ればいい。」というのが、この提案の発想です。

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えーとhttp://hamachan-law.cocolog-nifty.com ...続きを見る
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内 容 ニックネーム/日時
前に書いたことの繰り返しになりますが、現行法に基づく無期契約も、「解雇できる」契約なのです。いつでも解雇できる契約なのです。それが公序良俗に反しないのですから、平家さんのお考えの契約類型ももちろん有効です。それは、12ヶ月たつまで解雇できる権利を自ら制約したという点で、有期契約に似た面を持つ無期契約ということになります。
その12ヶ月目に行使した解雇権の濫用かどうかの判断において、おっしゃるように「予め合意が存在している場合と合意がない場合では、判断を変えるべき」という考え方に立って判断される可能性もあるだろうと思います。それは、現在の無期契約だって、別に一律の判断でやっているわけではなく、個別の事情をにらんで濫用かどうかを判断しているわけですから。
hamachan
2005/12/26 12:28
ただ、いずれにしても、契約として無期契約である、すなわち12ヶ月目に自動的に切れるわけではなく、使用者側からの解雇の意思表示が必要であるという点において、最終的にはその有効無効が裁判官の判断に委ねられるわけです。
使用者が有期契約を選好する最大の理由は、この点が攻守ところを変えること、すなわち解雇の意思表示を要することなく雇用関係が終了するところにあるわけですから、法制度を変えない限り、使用者が有期雇用にしておきたいというインセンティブをなくす効果は少ないように思われます。
hamachan
2005/12/26 12:33
この問題の混乱の原因は、本来例外的な伝家の宝刀であるはずの権利濫用法理を、ごく一般的な事態に適用される原則的な法理として活用してきてしまったという、法律論としての転倒にあります。
解雇が一般的に可能であるということを前提として、権利濫用法理で制約する方が、正当な理由なき解雇を一般的に禁止して、正当な理由ある場合にのみこれを解除するよりも、企業にとって自由度が高いように見えますが、逆に後者の方が、解雇権が行使できる範囲が明確になって、予測可能性が高まるという(企業側にとっての)メリットがあるのです。
しかし、そこは朝三暮四というか、なかなか納得しにくいのでしょうね。
hamachan
2005/12/26 12:41
>「予め合意が存在している場合と合意がない場合では、判断を変えるべき」という考え方に立って判断される可能性もある

この問題については、あらためて

任意規定であると明記

すればいいだけではないですか。

そもそも労働契約の不完備性を補うためものなら、任意規定とするのが筋ですし。
gkjhikj
2009/08/24 13:58
第十六条  解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とする。 

2 労働契約に基づく権利の行使による解雇は、客観的に合理的な理由のあるものとする。
hjhoij
2009/08/25 19:20

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