賃金の乱立

毎月勤労統計の賃金が3種類発表されている。どれを使うべきか、議論があるようだ。賃金の指標と言っても、水準を調べる、前年同月比で変化を見る、季節調整済み前月比を分析すると、いろいろな場合が考えられる。

速報の前年同月比については、参考として示された東京都500人以上事業所を抽出したと考えた場合の系列で議論するのが妥当だと考える。妥当だという理由は、まず、調査、母集団の推定の手法が前年同月と同じで、比較可能性が高いことがある。次に、回収率がかなり高いと考えられることである。

500人以上事業所をすべて調査対象にした本系列を取らない理由は単純である。ほとんど回収できていない可能性があるからだ。厚生労働省の発表によると、6月の調査対象事業所は5月に比べて812多い。東京都500人以上事業所をすべて調査することにしたのが主因だろう。そして回収できた事業所は、34減っている。これまでの調査対象事業所の回答が純減していたとしても、新規に調査対象となった事業所が回答していれば回答事業所が減ることはないだろう。速報段階では回収率は相当低かったと思われる。回収率の低い調査の信頼性は低い。

共通事業所については、前記事で問題点を示したので、ここでは書かない。

確報までに新規調査対象事業所からどれだけの回答が得られるかがカギとなる。なお、回収が進んだ場合は、当然ながら本系列の数字は大きく修正されるだろう。これも速報段階では本系列を取らない副次的な理由である。


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